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バリアフリー

老犬になると、脚力、視力、嗅覚、聴力の衰えにより、障害物を避けられなくなったり、段差の登り降りができなくなったりします。
症状が劇的に改善することは困難なので、障害物にぶつかった場合の衝撃を和らげたり、段差をなくすような対策をとることが有効です。
(医療監修:獣医師 先崎直子)

介護例1 立ったまま、座ったり、寝たりしない

立ったままの老犬

まず足にケガがないか、痛がることころがないかを確認し、異常があれば、獣医師に相談しましょう。

 

どこにも異常がなければ、脚力低下が疑われます。

 

立ったり座ったりという動作は老犬にとって複雑で、バランスと脚力を要します。それができないほど、愛犬の脚力が低下していると考えてください。

 

この場合、症状が劇的に改善されるのは困難ですが、マッサージなどで体の柔軟性を高めることで効果がでることがあります。

 

愛犬の様子を良く観察して、立ったまま疲れていれば、横にしてあげたり、起き上がりたそうにしていれば、立たせたりといったサポートをしましょう。

 

寝たきりになる直前の症状なので、体調の良いときは散歩などの運動をさせて、愛犬の脚力低下をできるだけ防ぐようにしてください。

ただし、この状態はかなり脚力が落ちているので、無理は禁物です。愛犬が嫌がらない範囲で運動させるよう、注意してください。

 

また、フローリングなど滑りやす床だと、立ったり座ったりを嫌がることもありますので、滑り止めなどの工夫をしましょう。

 

愛犬の足への負担軽減にも効果があります。

 

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介護例2 テーブルや壁に頭をぶつける

テーブルのイメージ画像

老犬になると、テーブルやイスの脚、壁などにぶつかるようになることがあります。

 

もともと犬は眼が良くはありませんが、老犬になると、視力がさらに落ちることに加え、聴覚、嗅覚も低下して、空間把握が難しくなるためです。

 

症状の改善は難しいので、家具や壁の角にコーナーガードなどをつけ、ぶつかってもけがをしないようにしてあげましょう。

 

また、部屋の模様替えは極力避けましょう。視力の落ちた愛犬は感覚で歩いていることが多いため、家具の配置が変わると大変戸惑います。

 

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介護例3 家具などのすきまに挟まり動けない

コーナークッション

後ろに下がる動作は犬にとって非常に複雑な動作です。

 

そのため老犬になると、物の隙間に挟まり、さがることもできなくなり、そのまま動けなくなることがあります。

 

症状自体を改善するのは困難ですが、家具の隙間をふさぐ、家具にクッションをつけるなどして、愛犬がぶつかってもケガをしないよう配慮しましょう。

 

若い頃のようにジャンプしないので、隙間をふさぐものは、犬の体高程度のもので十分です。

ただ、老犬であっても、脚力の衰えのない愛犬は、板などを飛び越えたり、体当たりして板をどけてしまうので、普段の愛犬の状況を踏まえて、高さを調整してください。

 

驚いた場合など、老犬でも普段はみせないような力を出すことがあります。
今まで愛犬とともに過ごしてきた日々を思い返しながら、犬の個性に合わせて、高さの調整をするようにしてください。

 

ご飯やお水のお皿は壁際に置かないようにしましょう。

壁際に置くと食事後、そこから動けなくなります。

 

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介護例4 ベッドにのぼれなくなった

ベッドと老犬

室内犬の場合、ベッドで一緒に寝ている愛犬もいると思います。

 

老犬になるとベッドにのぼれなくなる愛犬もでてきます。そのような場合、寝床を床に変えてベッドの登り降りをしなくて済むようにしましょう。

 

愛犬がベッドで一緒に寝ることを強く望むときは、スロープや階段を用意して、ベッドへの登り降りをサポートしてあげましょう。

 

犬にとっては、登る行為よりも降りる行為の方が肉体的にも精神的にも負担が大きいので、ベッドに乗ったものの降りられなくなってしまう犬もいます。

 

登り降りは飼い主の監視のもとで行うような習慣づけるとともに、万が一に備え、着地点に適度なクッション性があるマットを置くなどの配慮もしましょう。

 

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介護例5 滑ってうまく歩けない

老犬になると、筋力が落ちて踏ん張りがきかなくなることで、足が滑ってうまく歩けないようになることがあります。

 

滑り防止ワックスを塗る、床材を変えるなどして、滑りにくくしてあげましょう。

 

足裏の肉球の間の毛を切る、滑り止めのブーツをはかせるといった方法もあります。

 

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