老犬の認知症予防
2017.12.08 (老犬ケア)
動物医療が進んだ今、犬の平均寿命はおよそ14歳といわれています。
愛犬には健康に長生きしてほしいと思いつつ、老いを感じ始めた頃から気になる老化現象の1つが「認知症」です。
高齢化社会の日本で、認知症はよく知られる老化現象ですが、犬も同様に認知症があり、「犬の介護」は飼い主にとって重要なキーワードになりました。
白髪や白内障といった身体的な老化は目に見えてわかりますが、言葉を話さない犬は、症状を感じても、原因が認知症なのか病気や問題行動なのかを判断するのは難しいようです。症状があってもすべてが認知症とは限らないので、疑わしい時は、動物病院で確認するとよいでしょう。
老犬の認知症の正式名称は「認知機能不全症候群(CDS)」と呼ばれ、脳の老化に関連して認知機能の低下、刺激に対する反応の低下、学習能力の低下、記憶能力の低下が認められる状態です。
初期症状としては、呼んでも反応がなく無表情でボーっとしていたり、トイレを失敗したり、意味もなく吠え続けることがあります。
実際はこの症状だけでは認知症かどうか判断できませんが、次第に症状がはっきりして、今までにはなかった行動をするようになります。
・昼と夜が逆転し、昼間はずっと寝ていて、夜になると落ち着きなく吠え続ける
・攻撃的になる
・食べ物に執着する
・同じところをグルグル回る
・徘徊する
・異常に甘える
もしも愛犬が認知症になってしまったら、家族はどうしたらよいのでしょうか。
大切なことは、飼い主が不安がらないことです。犬自身は「老い」を感じることがないので、今まで簡単に出来ていたことが急にうまくいかなくなり、不安な気持ちになっています。そんな時に飼い主までが不安を感じていると、老犬の不安はさらに大きくなり、認知症の悪化にもつながります。大きな心で認知症と向き合い、獣医師に相談しながら症状の進行を遅らせる方法を考え、生活環境を見直すなど、早めに対処することをおすすめします。
また、人と同じように脳に適度な刺激を与える脳トレが、老犬の認知症予防に良いとされています。生活の中に取り入れながら、老犬の認知症発症を防ぎましょう。
・新しい芸を教え、知育玩具で一緒に遊ぶ。(飼い主と一緒にやることが大切)
・散歩コースを定期的に変える。
・散歩中の歩き方を変える。(スローペースやハイペース)
・足腰が丈夫なら、アジリティなど、考えながら行動する運動をする。
・マッサージで皮膚を刺激する。
・ドライブやおでかけをして、初めての場所に行く。
・認知症に良いとされる抗酸化食品やサプリメント、DHA含有食品などを与え、食生活を見直す。
愛犬が若いころから、楽しくメリハリのある生活を送る工夫を凝らし、健康寿命を延ばすよう心がけましょう。
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