冬に気をつけたい病気
2018.02.04 (老犬ケア)
寒波の襲来や突然の大雪など、今年の冬も寒いですね。
寒い冬、昔と比べて多くの愛犬が家の中で過ごすようになり、冬に気をつけたい病気も変化してきました。特に免疫力の落ちている老犬が発症しやすい病気もありますから、予防を心がけ、早期発見にも努めたいものです。
■乾燥が原因のひとつ -呼吸器系の疾患―
暖かい室内と低い外気温。急に冷たい空気に触れると、咳が止まらなくなり、室内でも気温が下がる夕方から夜にかけて、咳をしはじめる老犬がいるようです。室内ではエアコンを使う家庭が多くなり、空気は乾燥しがち。そこに低温が加わることで、鼻や喉の粘膜の働きが弱まり、感染リスクが高まります。人が風邪をひきやすくなるのと同様に、ウイルスは低温と低湿度で繁殖しやすいため、抵抗力の低い老犬や子犬は鼻炎や咳の症状がでやすいこともあります。寒さに弱い小型犬や皮下脂肪の少ない犬は特に注意が必要です。
部屋は適度に加湿して、暖め過ぎないようにすることも予防の1つ。犬の体温は人よりも高いので、飼い主は上着を着るなど体温調整をしながら、外気温との差を少し縮めて、体を甘やかしすぎないことも予防です。
できれば、比較的気温の高い昼間に散歩に行くとよいのですが、朝夕に散歩に行く場合は、お部屋の温度を下げて、少し寒さに慣らしてからお外に出ましょう。また、洋服などを活用して、体温を下げない予防も有効です。
■気温の変化は心臓への負担 -心疾患―
特に老犬は気を付けたいのが、心臓などの循環器系の病気です。
体重が減った時や、息苦しそうにすることがある時、咳をする時は、心臓の病気が疑われます。
気温が下がる朝夕、また、副交感神経が優位になる夜間から明け方は咳が出やすい時間帯です。咳が止まらないといった症状がある時は要注意です。場合によっては肺に水がたまる肺水腫という状態になることがあり、急いで治療をしなければ命にかかわることがあります。急に寒い場所に出たり、急に激しい運動をすることは心臓への負担が大きくなるので、散歩に行くときには服を着せるなどの寒さ対策をする、比較的暖かい時間帯に散歩に行く、家の中を少し歩かせたりマッサージをして体を温めてから散歩に行くといった工夫をするとよいでしょう。
■お水を飲む量が減ることが一因 -泌尿器系の疾患―
運動不足や散歩時間の短縮など、動かないことで喉の渇きを感じないことがあります。結果的に水を飲む量が減ることで脱水になったり、排尿回数の減少、外に行くのを嫌がってトイレを我慢することにより細菌感染をおこしやすくなることで膀胱炎を引き起こすことがあります。オシッコを我慢することで、尿が濃縮されるので尿路結石もできやすくなります。
一度、泌尿器の病気をすると繰り返す傾向があるので、予防や早期発見はとても大切です。
水分摂取量が減ると、腎臓に持病がある場合悪化しやすいので要注意です。飲水量が減る場合には、ウェットフードを利用するなどして、水分摂取量を増やす工夫をしましょう。
■運動不足からの体重増加が一因 ―関節の病気―
食べる量は変わらないのに、散歩時間の短縮や家の中でも動きが鈍くなることで、冬は体重が増加傾向になります。もともと肥満気味の老犬は、足や腰、背中への負担が大きくなり、関節の痛みが出やすくなります。
逆に、起きたばかりの朝や、天気が良いからと公園で思いっきり走ったり、ボール遊びで急に運動をした時も、衰えていた筋肉を急に使うことで、関節に負担がかかり、筋肉や関節を痛めてしまうことがあります。最初は適度に歩く距離を伸ばし、しっかり体の基礎を戻してから、徐々に体を慣らしましょう。
気温が低い時の散歩は体の柔軟性が落ち関節を痛めやすいので、体を温めてから散歩に行く、服を着せるなどして体を冷やさないようにして散歩に行くといった工夫をすると、関節のケアにつながります。フローリングなどの床で滑らないよう、室内での生活の工夫も取り入れてください。
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