食べ物の誤飲や窒息に注意
2018.03.12 (老犬ケア)
愛犬が食事中にゲホッと咳き込んだり、大好きな食べ物を見つけて、よく噛まずに飲み込んでしまったことはありませんか?
慌てて飲み込んだ直後、喉に食べ物が詰まり苦しそうな様子が見られたら、すぐに処置しないと窒息の恐れがあります。特に老犬は噛む力も飲み込む力も弱くなり、誤飲を起こしやすくなります。
老犬が安全な体勢で食事ができるようにするために、どんな注意が必要でしょうか。
犬の歯は強いのですが、歯の構造上よく噛まずに丸のみにする傾向があります。前臼歯で多少すり潰すことはできますが、基本的には引き裂くための歯です。奥歯には後臼歯がありますが、すり潰す役割もかなり退化してきているようです。
人間のように咀嚼してから飲み込むという習慣がないので、噛み砕くという動作はあまり持ち合わせていません。そのため、丸のみにしても食べ物をしっかり消化できるように、胃液がたくさんでるようになっています。犬は人よりも唾液がたくさんでますが、それもスムーズに飲み込むためといわれています。
犬は食べ物やおもちゃなどを手で持つことができないので、口で咥えて持っていこうとします。取り合いや慌てて口に入れたことで、うっかりそれらを飲み込み、誤飲事故につながることもあります。
喉に詰まるのは食べ物やボールだけではありません。トリーツやデンタルガムなど、喉に詰まりやすいものはたくさんありますし、タオルやティッシュ、靴下など、興味を持ちやすいものは生活の中にたくさんあり、万が一詰まってしまうと窒息を起こし、呼吸困難に陥ります。
飲み込んだ異物が食道の途中で動かなくなることもあります。この場合、呼吸が苦しそうでなくても、涎をながしたり、吐く姿勢をするのに吐けないといった様子がみられます。
床に食器を置いて、頭や首を低くして食べさせる姿勢よりも、台の上などに置いて、頭と胃が平行になるようにしてあげる方が、飲み込みやすくなり、お水を飲み損ねて気管に入ることも防げますし、食事をスムーズに胃に運ぶことができます。また、首や前足への負担も軽減されます。
寝たきりの老犬の場合は、寝たままの姿勢で食事を与えるのではなく、上半身を起こして頭を少し高くして、首を固定してあげるようにして、スプーンなどで一口ずつ飲み込んでいることを確認しながら、少しずつ口に運びます。
もしも喉に詰まらせたときは、少しでも早く異物を取り除いて気道を確保する必要があります。
背筋をまっすぐになるように支えて、背中を叩いて取り除く方法があります。右と左の肩の部分にあたる肩甲骨の間の背中よりも少し上の部分を意識して、真ん中あたりを強めに叩きます。苦しがってワンちゃんが暴れるときは、数人で押さえてあげるのも良いと思います。数回叩いて、異物が喉から取れているか、確認してみましょう。
吐き出せそうな場合であれば、犬のみぞおちを両手で抱え、胸をグッと圧迫して吐き出させる方法もあります。
吐き出せない場合、箸やピンセットなどを使って取り除く方法を見ることもありますが、これは喉や口の中を傷つけたり刺さったりする危険があります。
指などで取り除くときは、逆に押し込んでしまわないように十分に注意して取り除くようにしましょう。また、興奮して苦しがる犬に咬まれるケースもありますので、十分に注意しながら対処しましょう。
以上のような対処を速やかに行っても異物が取り除けない場合は、一刻も早く動物病院を受診して下さい。
誤飲や窒息を起こしてからの対処は大変な危険が伴います。食事をさせる姿勢や、飲み込める大きさをよく考え、気を配っていきましょう。
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