大切なペットを守ること
2018.03.23 (老犬ケア)
毎年3月に思い出されるのが東日本大震災です。今も鮮明に覚えている方も多いでしょう。この記憶と教訓を薄れさせることなく、次に起こるかもしれない災害に備えることが、私たちにできる大切なことではないでしょうか。
災害は家族が揃っている時に起こるとは限りません。通勤先、旅先、買い物先、通学先など、いつ起きるかわかりませんし、どこで被災するかわかりません。そして、家で待つ愛犬の元にいつ帰れるかもわかりません。連絡網も寸断される災害時、離れて待つことになるかもしれない愛犬のために、飼い主として何ができるのでしょうか。
■生活環境を整えて、災害に備える
大切な愛犬は普段どこで過ごしていますか?室内飼育の場合はゲージに入っていたり、自由気ままに好きな場所で過ごしている犬もいます。老犬などの場合は、寝たきりで自分では自由に動けない場合もあります。屋外飼育の場合は、ロングリードで自由に過ごす犬もいるでしょう。
大地震などの災害が発生した時、飼い主がいなくても愛犬の命を守るためには、生活環境を整えておく必要があります。
室内飼育であれば、家具やテレビ、テーブルなど、置いてあるものを壁に固定しましょう。つっぱり棒を利用している方もいますが、備え付け方を誤ると一瞬にして外れてしまうことがわかってきました。震度7クラスになると、どんなに大きな家具でも室内を揺れ動き、抑えることは困難です。倒れて愛犬が下敷きにならないようにしっかり固定します。また、寝たきりの老犬の上に物が落ちてこないよう、小物であってもなるべく家具の上に置かないようにしましょう。
屋外に犬がいる場合は、崩れた塀や屋根からの落下物が当たらない場所を考えて、犬小屋を設置します。また、割れた窓ガラスで怪我をしないよう、窓からは離れた場所も考慮しましょう。雨を避け、日当たりなどの環境も考えながら、もっとも安全な場所に犬小屋を設置してあげましょう。
■飼い主のもしもに備える「ペットレスキューカード」
飼い主が外出先で被災した場合、帰宅するには様々な困難があります。交通が寸断されていれば帰宅に時間がかかり、万が一、事故に巻き込まれてケガをすれば、すぐに帰れないこともあります。
そんな時のために便利なのが「ペットレスキューカード」です。免許証などの身分証明と一緒に持ち歩くことが推奨されているカードですが、飼い主にもしものことがあった場合に、ペットの救出やお世話を依頼できる方の「連絡先」や「ペットの薬やフード」、老犬の場合は「お願いしたい介護の仕方」などを書いておくことができるカードです。飼い主に異常事態が発生したことを伝えることができるので、万が一自分が電話をできなくても、カードを見た人が依頼者に連絡してくれることで、取り残されたペットを救出に向かうことができます。
事前にご近所や友人、親戚などの信頼できる人に、名前と連絡先をカードに記載してよいか、内諾をもらっておく必要がありますし、場合によっては合鍵のありかを教える必要もあるので、本当に信頼できる人を選びましょう。
このようなカードを持ち歩くだけでも、ペット達を助ける1つの保険になります。災害時はお互いに助け合うことが大切です。ペット達を救うためにもしっかり備え、準備をしておきましょう。
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