施設訪問記 Old Dog Home Cocoon
2018.04.25 (老犬ケア)
福岡県糸島市にある Old Dog Home Cocoonにお伺いし、代表の園田さんにお話を伺ってきました。
園田さんは25年前に田舎暮らしを楽しむために糸島市に来られ、ミニコミ誌を発行するなど、町おこしの活動などもされてきたそうです。
その後、プライベートで犬の保護活動を始められました。
自宅でたくさんの犬を保護するようになり、多頭飼いをする場合は、しっかりと衛生管理をする必要があると学び、ご自宅を建て替えたそうです。床材をテラコッタにして、水で流せるようにしたり、ドッグランを作るなど、犬が清潔に、快適に暮らせる作りにしました。
数年前、18 年間飼ったご自身の愛犬が4ヶ月寝たきりになったそうです。それまで保護してきた犬たちは寝たきりになることなく天寿をまっとうするワンちゃんが多かったので、初めての老犬介護の経験でした。これは自分だけではできない、資金が必要だと感じたそうです。
そんな時、ペットと泊まれるホテルがいつも満杯で困っているという話を聞き、園田さんは運転資金のためにペットと泊まれるホテルを始めます。旅館業法に則って許可もとりました。それが Cocoon ITOSHIMAです。3名まで泊まることができ、ワンちゃんの宿泊費用は必要ありません。宿泊料は保護活動に使われます。
園田さんは現在、メインでは犬の保護活動を行い、保護活動を維持するためのペットと泊まれる Cocoon ITOSHIMA、そして老犬ホームの Old Dog Home Cocoonを運営されています。現在、老犬は15頭おり、老犬ホームとして預かっているのは5頭だそうです。
預けられるワンちゃんの飼い主には様々な事情があるそうです。ひとり暮らしで入院することになった方、高齢になってから犬を飼い始め、世話ができなくなってしまった方、生活保護を受けている方など。そのような経済的に基盤がない方でも、預けられる費用にしているそうです。
Old Dog Home Cocoonのこだわりは「清潔」と「ホームステイ」です。
園田さんは以前、インターネットで、外国の老婦人2人が、素敵な家のリビングで老犬を預かっている写真を見て、こういう形でやろうと思ったそうです。
「ホームステイ」なので、ご自身で飼っている犬とも一緒に過ごさせ、愛情を持って接しているとのこと。お客様扱いはしないが、寝たきりになる前の老犬にとっては、過ごしやすいホームだと思うと自信を持っておっしゃっていました。
園田さんは、「犬は嘘もつかないし、欲もないし、愛があり、人間のために生まれて死んでくれる。犬たちに癒され、助けられることが多い。全部は救えないので、目の前の一頭を救うため、できることをやっていきたい。」とあたたかい笑顔でおっしゃいました。
今後は、もっと救える犬を増やしたいそうです。「飼い主さんが本当に困った時に、こういうところがあると知ってもらいたい。いつか、病院に行けない犬たちのための医療施設を作るかもしれない!」と精力的に話され、「過保護にし過ぎないで、責任感を感じ過ぎないで、自然体でいきましょう。」と飼い主さんたちへのメッセージをくださいました。
愛情あふれる園田さんご夫妻のもとで、アットホームに過ごすことができる素敵な施設でした。
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