老犬に同居犬を迎える時の注意点
2018.07.28 (老犬ケア)
のんびりと暮らす老犬との生活は、穏やかであり、賑やかな時とは少し違った静かな時間が流れているかもしれません。
賑やかだった時代を懐かしく感じ、新しい犬を家族に迎えようとかと検討し、ご相談を受けることがよくあります。
先住犬となる老犬にストレスを与えないようにしながら、新しい家族を迎えることはできるのでしょうか。老犬に与える影響は少なからずあるはずで、良い点もあれば、負担になることもあることでしょう。家族で検討するときは、どういったことを考慮するべきか、まとめてみました。
■老犬の体調
以前に比べて運動量が減ったものの、とくに病気はなく、散歩や遊びも好きで元気もあるということであれば、新しい家族(犬)を迎えた時でも、それが良い刺激になって、老化防止に役立ちます。元気が出て運動する意欲が湧き、新しい家族を見守ることで精神力も強くなります。
逆に、動きづらい状態であったり、痛みや具合が悪いという健康状態であれば、生活のリズムが崩れて精神的にも不安定になり、食欲が落ちたりストレスを溜めてしまう原因にもなります。
今以上に体調が悪化すれば、飼い主の負担も多くなり、家族が悪循環に陥ることがあるので、老犬の体調に不安がある場合は、同居犬を迎えることを急がず、老犬に精神的負担のない生活を心がけましょう。
■老犬の性格
同居犬の存在が愛犬にとってどのような影響を与えるかは、老犬の性格にもよります。もともと犬好きでフレンドリーな性格であれば、同居犬ができたことで、犬同士のコミュニケーションがとれて、生活にメリハリができます。
また、迎え入れた犬にとっても、生活のルールを教えてくれる先住犬がいることで、生活環境に慣れやすいというメリットがあります。飼い主にとっても、生活に活気がでて、家族の会話も増えることでしょう。
老犬の性格を良く見極め、犬とのコミュニケーションが苦手な老犬の場合は、犬を迎えることを慎重に検討しましょう。若いころはフレンドリーであったとしても、老いて自由が利かなくなったことで、警戒心が強くなる場合もあります。散歩の時や、犬が集まる場所で、愛犬がどのような反応をしているかをよく観察し、慎重に検討を重ねる必要があります。
また、同居犬が増えれば老犬だけに向けられていた飼い主の愛情は分散することになり、寂しさを感じてやきもちを焼く犬もいます。迎えた同居犬が仔犬なら、飼い主の関心は仔犬に向きがちになり、老犬はより一層のストレスを感じることもあります。
同居犬を迎えてしまったら、途中で止めることはできません。老犬にとって同居犬を迎えることが正しい選択かどうか、よく検討してからお迎えするようにしましょう。
■飼い主にとってのメリットとデメリット
同居犬を迎えたことで家族の会話が増え、生活に以前のようなメリハリが生まれます。また、老犬に万が一のことがあった時の慰めになり、ペットロスが軽減することもあります。
デメリットとしては、老犬との相性が合わない場合に精神的な負担が増え、ストレスから2頭の世話を負担に感じることがあります。
■迎える前にしたいこと
可能であれば、迎える前に老犬と候補の犬を対面させ、ひと時でも一緒に過ごし、相性を確認できるなら、ぜひ試してみましょう。また、保護犬であればトライアルを申し込むなど、迎え入れたあとに決して後悔しないことが大切です。
家族を増やしたいかどうかということより、老犬にとって負担がないかどうかをよく検討し、家族全員の意見が一致してから迎えることが大切です。家族が増えて皆が幸せを感じられるのであれば、それは大きな喜びになります。
大切な命を迎えるということには大きな責任があります。慎重に検討してから迎えることを心がけましょう。
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