老犬の足がガクガク震えている症状
2018.08.15 (老犬ケア)
先日知り合った8歳のワンちゃん。まだ老犬と呼ぶには早いかもしれませんが、飼い主とお話をしている間もずっと後ろ足がガクガク震えています。少し気になったので聞いてみたところ、前からよくある症状とのことでした。
足がガクガク震える症状には、いろいろな病気や原因が隠れていることがあります。このワンちゃんの飼い主はあまり気にする様子はありませんでしたが、今までなんの症状もなかった老犬に「震え」という症状が出た時は、どこに原因に何があるのか、しっかりと調べたほうがよいと思います。
「足が震える」という症状は、多くのワンちゃんに経験があるようです。どういった時に症状がでるか、知っておくとよいでしょう。
■緊張やストレスからくる震え
大きな音や嫌いな音を聞いて不安を感じたストレスで、ブルブル震えることがあります。
嫌いなことにはシャンプーや爪切り、病院に行く気配を感じて震えてしまう老犬もいます。音が苦手な場合は、掃除機などに恐怖心を持つ犬もいます。犬に「怖くない」ということを説明で理解させることは難しく、経験として恐怖心を薄れさせることしかできません。対処方法にもいくつかのやり方があります。
〇音の恐怖心を無くす
掃除機や大きな音を克服するには、音のしない部屋で待たせ、別の部屋で掃除機や音を少しだけ出します。老犬の待っている部屋へ戻って、待てたことを褒めます。音を1日1日少しずつ近づけて、音がしても怖くないことを教えます。
また、近くで花火大会が開催されるときは、雨戸やカーテンを閉め、安心できるケージなどがあれば、その中で過ごさせるようにしましょう。音に敏感になって恐怖心を助長し、脱走の原因にもなりますから、一緒に出かけることはしないでください。
〇病院のストレスを減らす
診察の時は獣医さんや看護婦さんに褒めてもらうようお願いします。近くの病院であれば、診察でない時にも気軽に立ち寄ってすぐ帰るという経験をさせることで「嫌な場所」というイメージを変えるように努力します。
■老化による筋肉の衰え
老化によっては、筋肉が衰えたことで、体重を支えることが苦痛になることがあります。立っている時に足が震えるだけでなく、歩行にも支障が出たり、立ち上がりにくそうにすることもあります。筋肉の衰えを感じた時に、散歩を減らしたりすると、筋力はより低下してしまいます。
老犬に苦痛がないのであれば、立つときや歩きはじめだけ手助けしてあげて、様子を見ながら今まで通りの散歩を心がけましょう。無理をさせないように歩かせると良いと思います。体調を見ながら散歩の距離や時間を調整しましょう。
■痛みや病気からくる震え
人も老化すると関節痛や腰痛があるように、犬にも椎間板ヘルニアからくる腰痛や膝関節・股関節の痛みが出ます。明らかに動きたがらないとか、痛くて鳴く場合は、すぐに病院を受診して、痛みの原因がどこにあるのかを診察し、痛みを軽減することで老犬の苦痛を減らします。
また、神経系の病気や脳腫瘍など、大変な病気が隠れている場合もあります。筋力が落ちたかな?と自己判断はせずに、一度は病院を受診して、震えの原因がどこにあるかを探っておくことをおすすめします。震えが足だけでなく全身に出ている場合は、痙攣やてんかんなども考えられます。
気温が低い時には、寒さで震えることもあります。
足の震えに気づいた時は、震えが足だけなのか、全身なのかをよく判断し、適切に対処をしましょう。
今は有効なサプリメントなど、落ちた筋力や成分を補う補助食品も多く見られるようになりました。獣医師に相談しながら、食事に取り入れてみてください。また、マッサージで筋肉をほぐしてあげるなどの刺激を与えて、老化を遅らせるようにしてあげてください。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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