老犬の真冬の散歩
2019.02.04 (老犬ケア)
窓の外に北風の気配を感じると、ついお散歩をお休みしてしまいたくなります。老犬にとってお散歩は大事な日課ですが、真冬の辛い寒さの中でもお散歩は必要なのでしょうか?
真冬のお散歩のメリットとデメリットをまとめてみました。
■真冬でもお散歩をするメリット
最近「ウィンターブルー」という言葉が話題になっていますが、これは人に起こる「季節性うつ病」のことで、秋から冬になると気分が落ち込み、体がだるくて動きたくない、好きな事も楽しめない・・など、日常生活に支障がでるものの3月頃になると気持ちが晴れて治ってしまうという感情障害です。この原因には日照不足や体内時計の変化があるようで、日照不足から脳内のセロトニンというたんぱく質量が減り、気持ちや動きに変動がでてしまうのです。
このセロトニンは人だけでなく老犬にとっても、とても大切な神経伝達物資で、最近では犬の攻撃性を押さえられる物質ではないかと話題にもなりました。
老犬の脳内ホルモンのセロトニンを増やすために、良質のお肉や乳製品、大豆製品などを摂取してアミノ酸であるトリプトファンを摂取して、併せて炭水化物の穀類・イモ類などに含まれるビタミンB6を摂取すると有効です。また、日を浴びることでトリプトファンがセロトニンになりますから、午前中の日差しのある時間に老犬と一緒にお散歩に出て、規則正しい生活をすると、体内時計も正常化してお互いに良い生活リズムを保てることになります。
人にとっても老犬にとっても、日を浴びる事や良く寝ること、規則正し生活が、寒い冬を乗り切る生活習慣だと言えそうです。
■真冬のお散歩のデメリット
寒い真冬の外出に気をつけるべきことは何でしょうか?
室内と外気温の温度差があまりにもある日は、犬の血管が一気に収縮して、ヒートショック状態になることがあります。また、嫌がる犬を無理やり外に連れ出すことも、ストレスになって楽しいお散歩とは言えないでしょう。
老犬の体調や性格を見極めて、晴れていても気温が低くてお散歩に適していない日はガラス越しに日光浴をするなど、気分転換を計れるように工夫をしてください。
お散歩が好きだけど、寒い日の外出は心配という方は、ドアを開けた直後に老犬を外に出さず、室内に入ってきた外に空気に慣らしながら、徐々に外に出してあげるのが良いでしょう。また、急に運動をさせては、呼吸で体内に入る酸素も冷たいので老犬には負担がかかります。早足で歩かず、少しずつスピードを上げて体を慣らしながら歩いてあげると、体への負担も軽くすみます。
■まとめ
暖かい小春日和は外に出て、愛犬との散歩を楽しみましょう。寒さが厳しい日は無理をせず、早めに散歩を切り上げることも一案です。春が待ち遠しい季節ですが、冬の楽しみも見つけながら、元気に乗り切っていきましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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