徘徊とのつきあい方
2019.02.18 (老犬ケア)
大切な愛犬に認知症(痴呆)の症状が見え始めた時、飼い主を悩ませる症状の一つとして「徘徊」があります。
昼寝の時間が長くなった老犬は、夜から夜中にかけて徘徊する傾向がみられ、飼い主は睡眠不足から心身とも負担が生じます。また、目が悪い老犬は徘徊中に家具にぶつかって怪我をする恐れもあります。老犬に徘徊の症状が見られたら、どのように対処したらよいか、まとめてみました。
■徘徊を止めさせることはストレスになることもある
老犬は人が思うよりも体力があり、歩き続けることに抵抗はありません。歩くことは自然の動きであり、動きを無理に止められることのほうがストレスに感じると考えられています。気が済むまで歩かせてあげたいものですが、飼い主としてはウロウロと部屋を歩き回ることに抵抗もあるでしょう。
そんな時は、広めのドッグサークルを使うと便利で、お互いにストレスを軽減できます。サークルの中を歩きまわっているうちに疲れて寝てしまうこともありますが、部屋の中を歩き回って家具にぶつかったり、隙間に入り込んで動けなくなるといったこともないので安心です。
最近では市販のサークルも増え、不要の時は折り畳んで片付けられる折りたたみサークルも販売されていますが、愛犬の大きさや徘徊する時の安全性を考えて、手作りで作製する飼い主も多いようです。市販のウレタン製お風呂マットをつなぎ合わせて円形サークルを作ったり、ワイヤーネットをつなげてサークルを作り、内側にクッション材などを被せて怪我の予防をすることもできます。小型犬の場合は、子供用のプールも代用できます。
ぶつかっても怪我をしないよう、部屋の柱や角にはコーナーガードを付け、サークルを使う場合は柔らかい素材を選び、老犬が押すことでサークル自体が移動したり、倒れてしまわないように一部を固定するなど、飼い主が見ていなくても安全に使えるよう工夫してください。
■床にはすべり止めの工夫も必要
老犬は足腰が弱っていることが多いので、床にはクッションフロアマットを敷くなど、滑り止めの工夫を施しましょう。ジョイントできるフロアマットを利用すると、汚れた時は部分的に洗濯もできて便利です。床に敷くものは裏面に滑り止めの加工がしてあるものを選び、足腰にかかる負担を軽減できるようにします。
■夜徘徊の予防法
昼間にたっぷりお昼寝をしてしまうと、夜は眠りが浅くなり、昼夜が逆転して飼い主に負担がかかります。生活環境を整えて、バランスのとれた生活を心がけましょう。
また、運動をさせたり、お天気が良い日は日光浴をさせるなど、体内時計の調整も必要です。
■まとめ
認知症に根本的な治療法はなく、長期間に渡って上手につきあっていく必要があります。生活環境を工夫して進行を遅らせ、時には信頼できるペットシッターさんにお留守番を頼んで、気分転換の外出をするなど、飼い主もストレスを溜めないことも大切です。気長に介護をするためにも、心に余裕を持ちながら、温かい目で見守っていきましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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