犬の時間の感じ方
2019.04.17 (老犬ケア)
人は1日を24時間で過ごしていますが、犬は時間をどのように感じているのでしょうか?
犬は決まった時間でご飯をほしがったり、散歩に行こうと誘ったりします。人のように時計を読むことはしないので、感覚的に時間を感じとっているといえます。
最近の研究では犬は1日を7時間周期のリズムで過ごし、人が作った時間定義の24時間を3日と感じているのではないかといわれています。3日も家の中で過ごしている犬の気持ちになれば、散歩をせがみたくなるのもよくわかりますね。
犬の寿命が人よりも短いことは周知のとおりですが、加齢スピードは脈拍などに関係するといわれています。体の大きさによって寿命が違い、加齢の仕方まで違う、本当に奥深い生態をもっている動物です。
年齢の数え方には諸説ありますが、たとえば小型犬では1歳で人の20歳程度、翌年は1年で8歳加齢し、その後は4歳ずつ年を取るそうです。中型犬は1歳で人の18歳、翌年は9歳加齢され、その後は1年ごとに6~7歳程度年をとるといわれます。大型犬になると1歳で人の14歳、その後は9~10歳程度の年を重ね、人から見ると寿命はとても短く感じられます。
「どうして犬の一生は短いのか」と嘆く方も多いと思いますが、犬にとって1日を3日感覚で過ごしていれば、十分に過ごしたという気持ちになっているのでしょうか。
老犬は体調が急激に悪化することがあります。
人間の場合は「もう少し様子を見よう」ということがありますが、犬のリズムで考えると、1時間様子をみるということは、3時間も待たせることになり、1日様子を見るということは3日様子をみてみるということで、これでは体調も悪化してしまいます。
人間との時間の感覚のズレを理解して、おかしいと感じた時は少しでも早く動物病院を受診したほうが、愛犬の辛い時間を減らすことができます。
また、老犬は人のように「年をとったな」と思うことはなく、自分の寿命を考えることもありません。今までできたことが、できなくなったと感じることも時間がかかり、小型犬が無理をしてソファに上がろうとして転げ落ちたり、簡単に上り下りできていた階段から落ちてしまったりという事故が起きます。
飼い主が日頃から様子をよく観察して、以前はできていたことができなくなってきたと感じた時は、早め早めに対策を講じてあげることが必要でしょう。
飼い主と一緒にいる時間は老犬にとってなによりも幸せな瞬間です。一緒にいるときは、テレビを消したり、スマホを手離して、愛犬と目を合わせて過ごす時間をたくさん作ってあげましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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