老犬のお世話 お部屋の環境を整えよう
2019.10.09 (老犬ケア)
老犬になると加齢により様々な衰えが出てきます。
愛犬の様子をよく観察して無理なく生活できるよう、生活環境を整えてあげることは老犬をお世話する飼い主の責任です。今回のコラムはそんな老犬の生活環境の整え方についてです。
高齢になると犬も足腰が弱くなってきます。足腰の負担を軽減するため、フローリングなど滑りやすい床の場合、滑り止めマットやカーペットを敷くなどしましょう。
床だけでなく家具などの隙間にも注意してください。犬は認知機能が衰えると狭いところに入り込んでしまったり、前進のみでバックできなくなることがあります。そのような事態を防止するために家具などの隙間は塞いでおきましょう。
また、万が一家具などにぶつかった時でも怪我をしないよう、壁や家具に幼児用のガードクッションを付けることも大切です。
犬は人間と違い、高齢で目が見えなくなっても自分の生活空間を覚えているので、ある程度は問題なく日常生活が送れます。
しかし家具のレイアウトを変えてしまうと、状況がつかめなくなり、パニックになったり、壁や家具にぶつかって怪我をしてしまうこともあります。
大きなレイアウト変更などは控え、老犬・老猫の生活する環境をできるだけ変えないよう配慮しましょう。
高齢になると寂しがり屋になって人が傍に居ないと鳴いたり、夜間に目を覚まして鳴いたりすることもあります。寂しがり屋の子の場合は、いつも人の気配が感じられる場所に居場所を作り、夜に目を覚ましてしまうような子の場合は、夜間は暗く、静かになる場所にお部屋を移してあげるのも良いでしょう。
トイレの失敗も増えてきます。
トイレの変化は体調のバロメータなので、失敗が増えた際はまずは獣医師に相談しましょう。病気ではなくても、排泄に必要な筋力が衰えたり、足腰の衰えでトイレまでの移動が間に合わずに失敗してしまうことがあります。
視力が衰えている場合、暗くてトイレの場所が分からないケースもあります。トイレの場所を増やす、サイズを少し大きくする、明るくするなどの対策をしましょう。
お部屋の床に洗いやすい素材を選んだり、お世話の時にエプロンを付けて服が汚れないようにすると、粗相の際の後始末が楽になり、飼い主のストレスも少なくなります。
加齢による衰えは愛犬自身にとってもストレスになっています。
長年一緒に過ごしてきたパートナーの新たな個性として受け止め、失敗が増えても叱らず、優しくお世話してあげましょう。
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(医療監修:獣医師 先崎直子)
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