多様化する老犬・老猫介護のサポートサービス
2019.10.17 (老犬ケア)
ご自身・ご家族の病気や怪我、転勤など予期せぬ生活環境の変化や、近年増加している愛犬の認知症による夜鳴きに対する近隣からのクレームなど、いくら努力しても老犬・老猫のお世話を飼い主一人で背負うには限界があります。
愛犬、愛猫の高齢化に伴い、最近は高齢ペットの介護やお世話をサポートするサービスが次々と登場してきていますので、こういったサービスの利用も考えると良いでしょう。今回は多様化する介護サービスをいくつか紹介します。
最初にご紹介するのは往診対応の動物病院です。寝たきりや重い疾患を持っているなど、愛犬・愛猫の体調が悪く移動させるのが心配な場合や、飼い主が高齢で運転免許を返納してしまっている場合など、老犬や老猫を動物病院に連れていくのが難しい時には、こういった往診対応の動物病院に相談すると良いでしょう。
次にご紹介するのは介護スタッフが自宅にきて、愛犬・愛猫のお世話をお手伝いしてくれる訪問介護サービスです。仕事の都合などで自宅を空けざるを得ない場合や、体力的に介護が負担に感じる場合に利用しましょう。
往診対応の動物病院や訪問介護サービスの良い点は、愛犬・愛猫を移動させる必要がないことです。
もともと犬や猫は環境変化に敏感な生き物ですが、高齢になるとその傾向がさらに強くなります。また移動自体が負担になるケースもあります。動物病院の往診や、訪問看護は自宅で行われるので、移動や環境変化がない分、高齢の愛犬・愛猫の負担も軽くなります。
高齢になると寂しがり屋になって人が傍に居ないと鳴いたり、夜間に目を覚まして鳴いたりすることもあります。寂しがり屋の子の場合は、いつも人の気配が感じられる場所に居場所を作り、夜に目を覚ましてしまうような子の場合は、夜間は暗く、静かになる場所にお部屋を移してあげるのも良いでしょう。
介護施設で昼間だけ預かってくれるデイサービスや、数日間預かっているくれるショートステイも上手に活用しましょう。
デイサービスは外出・仕事などで昼間ペットのお世話ができない時に便利です。数日間家を空けなければならないような場合はショートステイを利用すると良いでしょう。これらの施設のなかには、自宅までの送迎サービスを行っているところもあります。
通常のペットホテルの場合、高齢や持病があると預かってもらえないケースがありますが、老犬・老猫介護施設の場合、寝たきりなど介護が必要な状態でも受け入れてくれます。
ただし高齢の愛犬・愛猫は環境変化により敏感になっていますので、デイサービスやショートステイをご利用の前には、試しに飼い主同行で施設に行ったり、施設のスタッフと綿密に打ち合わせをすることが大切です。
かかりつけの動物病院で、ペットホテルのサービスを行っている所であれば、そちらに預けるのも一つの方法です。特に、体調が安定しない老犬、持病があり様子を見ながらの投薬が必要な場合など、動物病院であれば速やかに対応してもらえるので安心です。
そして最後にご紹介するのが老犬・老猫ホームになります。
老犬・老猫ホームとは長期、終身にわたってペットをお預かりして世話をしてくれるサービスです。生認知症による夜鳴きで近隣からクレームが入り、自宅でのお世話が困難場合などに利用すると良いでしょう。
このように人間の介護サービスと同様、高齢犬・高齢猫の介護サービスも多様化しています。
老犬・老猫介護は思った以上に心身とも飼い主に負担がかかるので、これらのサービスを上手に活用すると良いでしょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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