老犬だからこそ気を付けたい!換毛期の注意点
2020.03.26 (老犬ケア)
人間の衣替えにあたる犬の換毛期は、体温調節ができるように季節に合わせて被毛の厚さを調整するものです。春と秋の年2回が一般的で、春にかけて冬毛から夏毛へ、また秋にかけては夏毛から冬毛へと生え変わっていきます。
犬の被毛は大きく分けて2種類あり、オーバーコート(上側の被毛)とアンダーコート(下側の被毛)の2重構造になっている「ダブルコート」の犬種と、上側の被毛のみの単層構造の被毛を持つ「シングルコート」の犬種に分かれています。
換毛期に被毛が生え変わるのは、ダブルコートの犬種になりますが、犬も年をとることで、換毛期で注意したいことが出てきます。
今回は老化で起こる換毛期の変化と、注意したいポイントについてご紹介します。
■老化で起こる換毛期の変化
老犬になると被毛の艶が失われ、毛量が減少することで、以前に比べて冬の寒い時期をしのぐための冬毛にフワフワ感があまり感じられなくなる傾向があります。
また、今までは春と秋にちゃんと来ていた換毛期が、老犬になると体質の変化で被毛の成長が遅くなり、周期にズレが生じるようになります。年をとることで、代謝や自律神経、身体機能が低下することが原因と言われています。
換毛期をスムーズに行うためには、こまめにブラッシングをして古い毛を取り去ってあげましょう。ブラッシングの刺激で血行をよくしたり、皮膚を清潔に保つことにもつながるため、ブラシで皮膚を傷つけないよう注意しながら行いましょう。
◾️「換毛」ではなく「脱毛」の可能性もチェック
最近毛がよく抜けるのは換毛期かな…と思っていても、あまりにも脱毛の状態がいつもと違う場合は換毛による脱毛ではないこともあります。皮膚が見えるくらいごっそり毛が抜ける脱毛は換毛でない可能性が高いでしょう。
犬が換毛以外に毛が抜ける原因はさまざまありますが、「ストレス」、「皮膚の疾患」、「その他の病気」が考えられます。ストレスを感じると、犬は自分の身体を舐める習性があるため、ストレスによる舐め行動もともなっていないかよく観察してみてください。
また皮膚を異常に痒がったり、炎症が起きていたりした場合、皮膚の炎症が考えらえるため、早めに病院に連れて行ってあげましょう。
高齢になるにつれ、ホルモンの病気を発症しやすくなり、病気によっては脱毛を引き起こすこともあります。代表的なのが副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されることで起きる「副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)」、甲状腺ホルモンの分泌量が不足する「甲状腺機能低下症」です。
◾️まとめ
老犬になると身体の状態は若い頃に比べて変化していきます。換毛もスムーズに行われないようになったり、病気によって脱毛を引き起こしていたりと、注意が必要です。
飼い主も愛犬の何気ない変化を見逃さないよう、いつもと違った様子はないか日々注意深く観察してあげるようにしましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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