暑さに弱い老犬。夏の散歩で気を付けるべきポイント
2020.07.28 (老犬ケア)
今年は例年に比べて長い梅雨となりましたが、梅雨が明けたらいよいよ夏本番。暑さも一段と厳しくなりますので、気温差で健康状態が損なわれやすい老犬は、夏の散歩には十分な注意が必要になってきます。
どんなポイントに気をつければよいのか?暑さに弱くなる老化現象の仕組みとともにご紹介します。
■老犬になると体はどう変わる?
犬も歳をとると、老化により体温調節がうまくできなくなってしまいます。
ハアハアと荒い呼吸として、熱い息を外に出し体温を冷やそうとする「パンティング」をしても若いときのようには回復せず、パンティング自体も体力を使う行為のため、老犬の体には大きな負担となってしまいます。
老犬になると若い頃は自然にできていた体温調節が難しくなってくるため、暑さに対する抵抗力が下がり、熱中症リスクもグンとあがってしまうのです。
◾️老犬との夏の散歩で注意したいこと
暑さへの抵抗力が低下した老犬が夏場に散歩をする際は、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか?少しの工夫で愛犬の負担を減らしてあげることができます。
【散歩は早朝と夜の気温が低い時間帯に】
厳しい暑さのなかを歩くのは人でさえ辛いもの。アスファルトからの距離が近い犬の場合、人間の体感温度のプラス10℃以上と言われており、さらに厳しい暑さにさらされている状態なのです。そのため猛暑日に外へ散歩に連れ出すことは避けるようにしましょう。
散歩をする時間は、朝遅くても朝7時くらいまでを目安に。夕方もまだ暑さが残るときは散歩を避け、夜8時頃を目安に気温が下がったことを確認してから散歩に出かけるとよいでしょう。
また、体調によっては散歩時間を短くする、もしくは散歩に行かないようにするなど、体調を見て臨機応変に対応することも大切です。
【水分補給は欠かさない】
年をとると感覚器官が鈍くなり、喉の渇きを自覚しないこともあります。そのため飼い主さんが意識的に水分補給をさせるよう配慮することが必要になってきます。
あまり水を飲みたがらない場合は、犬用のミルクや無糖ヨーグルトを水で薄めたものを与えたり、愛犬が好むものを冷たくして与えたりするのもよいでしょう。
【暑さ対策グッズを活用する】
散歩の時間帯に変えたり、なるべくアスファルトを避け芝生の多い散歩コースを歩いたりするなど、さまざまな工夫をすることに加え、暑さを軽減するグッズを使うのも効果的です。
水で湿らせて気化熱で体温を下げるクールバンダナやひんやり素材のお散歩ベストなどは使いやすく、普段の散歩にも取り入れやすいでしょう。
◾️まとめ
夏場は暑さや体調によって、気軽に散歩に行けなくなることもあります。そんなときは運動不足にならないよう室内を一緒に歩いたり、マッサージやブラッシングをしてあげたりして、愛犬の体に刺激を与えてあげましょう。
愛犬もストレスを発散できて、なおかつ飼い主さんとのスキンシップの時間を楽しめる良いコミュニケーションとなりますよ。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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