歩行や排泄を快適にサポート。老犬の介助術を解説
2020.10.07 (老犬ケア)
犬も年をとると体力・気力ともに低下し、介助の必要性が出てきます。特に自分で立ち上がったりできず、サポートがないと歩けない老犬は歩行や排泄などの場面で飼い主は手助けが求められるでしょう。
そんな介助の現場でどんな対応をすればよいのか、介護を始めたばかりの頃は適切な方法がわからなかったりするものです。
そこで今回は、快適に老犬をサポートするための介助術をご紹介します。
■立ち上がりの介助方法
老犬になると足腰の筋肉や関節の機能が低下してくるので、立ち上がることさえ大変になります。そんな場面での立ち上がりの補助の仕方をご紹介します。
【小型・中型犬の場合】
- 声をかけながら、お腹の下に手を差し入れる
- 両手を使っておなかに強い力がかからないよう気をつけながら、おなかを やさしく引き上げ、腰を抱くようにしながら前脚をふんばらせる
- 立ち上がれたら身体をなでて、ほめてあげる
【大型犬の場合】
- 犬の後ろ側にまわる
- 両手で両脇を支える
- 支えた手で腰を引き上がるようにして立ち上がらせる
自分でなんとか歩ける犬には立ち上がることのみを助け、自力で歩かせるようにしましょう。
足元がふらつく場合は、ハーネスなどの歩行補助の道具を使うとよいでしょう。後ろ脚だけを助け、前脚は自力で動かすようにさせて歩かせることもできるため、筋肉を動かすことで身体の筋力を鍛えられるでしょう。
■排泄の補助方法
足腰の筋肉が衰え、関節の機能が低下することで、今までと同じ排泄のポーズができなくなることがあります。このようなしぐさが見られたら、排泄時に愛犬の身体を支え、サポートしてあげましょう。
排泄を補助するための準備とサポート方法は以下を参考にしてください。
【準備】
尿が飛び散っても問題ないようペットシーツを敷いて準備をしましょう。飼い主さんも汚れて問題ない服装に着替えることをおすすめします。
【介助方法】
- 男の子のおしっこの場合…
股の間から手を入れて、太ももの付け根あたりを内側から支えます。 - うんちと女の子のおしっこの場合…
脚の付け根に近い胴体の部分を両手で左右から支えます。特に排便の場合は、後足が踏ん張れるような姿勢をとらせてあげましょう。
排泄ができたらやさしく褒めてあげましょう。身体や陰部が汚れたら、濡れタオルや低刺激のウェットティッシュなどでやさしく拭き取り、清潔に保てるようにしてください。
◾️まとめ
サポートすればまだまだ自力で歩けたり、用が足せたりするようであれば、飼い主が適切に介助して今ある筋力を鍛えることを意識しましょう。
また愛犬が快適に過ごせるように都度反応を見ながら、より適切なやり方を身につけていけるとよいですね。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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