足元がプルプルして心配…老犬の震えの原因と対処法
2021.01.26 (老犬ケア)
老犬が震えているのを見ると、「どこか具合が悪いのでは?」と心配になりますよね。
犬の震えは自然な震えの場合もあれば、病気のサインであることも。そこで今回は、老犬の震えの原因や注意が必要な震えについて解説していきます。
■老犬が震える主な原因【自然な震え】
・寒さや体温調整のため
老犬になると筋肉量が落ち、体温調節がしづらくなることで、寒さを感じやすくなります。また運動量が少なくなることで、身体が温まる機会も減りがちに。
震えることで熱を生み出そうとするため、寒さからの震えが見られる傾向があります。
・筋力の低下
年齢を重ねるにつれ筋力が落ちてくことで、立ったり、動いたり、しゃがんだりする時などに足腰がプルプルと震えやすくなります。もともと筋力が少ない犬の場合は筋肉の衰えも早いため、若くて元気なうちに体力をつけておくことが大切です。
・不安や恐怖を感じている時
目や耳が悪くなり周りの状況が察知できなくなってくると気持ち的にも不安や恐怖が強くなると言われています。そのため飼い主さんが気づかない些細なことで不安を感じたり、緊張したりして、震えが身体にあらわれるケースもあるでしょう。
■老犬が震える主な原因【病気に関連する震え】
・身体に痛みを感じている場合
老犬の場合多いのが関節炎による痛みです。筋力が低下していることも重なり、痛みでうまく身体を支えられず震えてしまうことがあります。
・痙攣発作を起こしている場合
てんかんや水頭症、脳腫瘍など脳や脊椎の中枢神経の疾患をはじめ熱中症、低血糖などの代謝性疾患により痙攣があらわれます。
呼びかけても反応がない場合などは、痙攣発作の可能性が非常に高いため、緊急受診をしましょう。
◾️犬の震えの対処法
愛犬の震えは、以下の対処法で改善することがあります。心当たりのある原因に合わせて試してみましょう。
【対処法(1) 体温調節をする】
体温調節がしづらくなっている老犬には、部屋や寝床を暖め、寒がるようなら服を着せて寒さ対策を行ってください。
寝たきりの場合は血流が悪くなり、身体の末端が冷えやすくなるため、必要に応じて靴下を履かせてみてもよいでしょう。
【対処法(2) 筋力の低下】
年を重ねると、散歩を嫌がることも増えてくるかもしれません。しかし体温維持のためにも適度な運動を心がけましょう。寝たきりの犬の場合も短時間でも身体を起こすなど、筋力維持をサポートしてあげましょう。
【対処法(3) 不安やストレス】
老犬になると身体が思うようにならず、不安を感じる場面が増えてきます。そのため、普段から愛犬とのスキンシップを増やし、一緒に過ごす時間を増やすことで、愛犬の気持ちをやわらげてあげるとよいでしょう。
【対処法(4) 関節炎】
関節炎の場合は痛み緩和のために軽いエクササイズやマッサージなどを取り入れるのがおすすめです。また、冷えると余計に痛みを感じやすくなるため、レッグウォーマーを活用したり、室内ではブランケットを足元にかけたりして、冷え予防を徹底してください。
痛みが強い時、頻繁に痛がるような時には動物病院を受診してください。
◾️まとめ
震えの原因が自然な震えなのか、病気が原因なのかで飼い主さんの行動も変わってきます。普段から愛犬の様子を注意深く観察しておけば、異変にも気づきやすく、病気への対応も手遅れにならずにすむでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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