咳が多いと要注意?犬の気管支炎の症状や対処法
2021.02.04 (老犬ケア)
冬になるとかかりやすくなる呼吸器疾患。人間同様に犬の場合も注意が必要です。
なかでも、咳が止まらない、変な咳をしていると思ったら、気管支炎を発症している可能性が考えられます。
普段の咳とはどのように違うのか?犬の気管支炎の症状や対処法&治療法などについて解説していきます。
■犬の気管支炎とは?
「気管」とは、呼吸により口から吸い込んだ空気を肺に運ぶための通り道のこと。その気管と肺をつなぐ左右に枝分かれした部分を「気管支」と呼びます。
気管支炎とは、この気管支部分が炎症を起こした状態のこと。気管にある粘膜が炎症を起こすことでさらに大量の粘液が分泌され、気道が狭くなります。その結果、気管支がさまざまな刺激に対して過敏になり、発作的に咳や喀痰などの症状を引き起こします。
■犬の気管支炎に見られる症状
犬が気管支炎になった場合、以下の症状がみられます。
- 頻繁に咳が出る
- 食欲がなくなる
- 運動を嫌がる
- 呼吸が苦しそう
- 咳をした時に嘔吐しそうになる
気管支炎の主な症状は咳ですが、咳には2種類のタイプに分けられます。初期症状では「カッカッ」と乾いた咳を吐き出すようにします。やがて症状が悪化してくると「ゼーゼー」と湿った咳や呼吸に変わり、息苦しい様子が見られます。
■犬の気管支炎の原因
ウィルスや細菌による感染が主な原因です。特に抵抗力の弱い子犬に多く発症します。花粉などのアレルギーによって気管支炎を発症するケースもあるようです。
まれに刺激性の煙やガス、化学薬品などの吸い込みや異物の飲み込みなどにより気管支炎を引き起こすこともあります。
■犬の気管支炎の治療法と対処法
【気管支炎の治療法】
感染症が原因の場合は、抗生物質や抗真菌剤の投与を行います。また咳の症状を軽くするために気管支拡張薬や去痰剤を使用することも。蒸気吸入器を使った吸入療法を行うこともあるようです。
【気管支炎の対処法】
慢性化した気管支炎は完全に治すことは難しい病気でもあるため、少しでも症状を和らげる対処をしていくことが重要です。こまめな掃除や換気、空気清浄機でお部屋を清潔に保つことを心がけましょう。
また喉に刺激になりそうなものは与えないように意識し、咳の引き金になる行動には注意が必要です。咳をした後は、水分をとって身体をあたため、呼吸が落ち着くまで安静にさせましょう。
首輪は散歩時に喉の刺激になるため、喉への負担の少ないハーネスタイプがお勧めです。
◾️まとめ
慢性化した気管支炎は呼吸が苦しかったり、咳が止まらなかったり、気管支炎は愛犬にとっても辛いものです。
長く付き合っていく病気でもあるため、可能な限り気管支炎のストレスを和らげ、環境作りからサポートしてあげましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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