愛犬がしきりに体をかくのは?原因と受診の目安
2021.03.19 (老犬ケア)
愛犬が体をかく姿は日常の光景ですが、しきりに体をかきむしるのはもしかしたら病気のサインかもしれません。
そこで今回は、愛犬が体をかく原因と受診すべきかゆみの症状について解説します。
■ 愛犬が体をかく理由とは?
【皮膚の乾燥によるかゆみ】
乾燥により皮膚に炎症が起こしてしまうことがあります。空気の乾燥以外にも考えられるのがシャンプーのしすぎです。
お湯だけでもある程度汚れは落とせるため、大量のシャンプー剤の使用は控えましょう。また、汚れた部位のみをふく、洗うといった工夫もよいでしょう。
また乾燥しやすい寒い時期は、専用のローションなどで保湿することで乾燥を防げます。
【換毛期の抜け毛によるかゆみ】
換毛期に抜け毛が体にまとわりつくことで、かゆみを感じることがあります。
それ以外にも、うまく毛が抜けずに毛玉ができると細菌の繁殖が起こりやすく、かゆみや違和感を感じて、体をかいたり、かんだりする行動が見られます。
【ノミ・ダニ、虫さされのかゆみ】
ノミ・ダニがついたり、虫にさされたりすることで強いかゆみを引き起こすことがあります。
この場合は初夏〜秋にかけてかゆみが起こることが大半です。必要に応じて駆虫剤を処方してもらうほか、皮膚を激しくかきむしっている場合は抗炎症剤などが必要になるでしょう。
【外耳炎によるかゆみ】
細菌やマラセチアというカビの一種が原因となり引き起こされる病気。かゆみがひどく、悪化すると耳の奥がはれることもあります。
首のあたりをかいたり、頭を振ったり、かゆみを訴えるしぐさが頻繁に見られます。
【アトピー・アレルギーのかゆみ】
アトピーやアレルギーは、食べ物や花粉、ハウスダストなど環境的なものが原因となります。かゆみが激しく、皮膚が赤くなったり、毛が抜け落ちたりといった症状が見られます。
この場合は早めに受診して、適切な治療を受けることが必要です。
【細菌感染によるかゆみ】
ブドウ球菌が原因になる膿皮症などが代表的な細菌感染の皮膚炎です。
かゆみ以外にも皮膚の赤みや湿疹、さらに独特な匂いが生じるのが特徴です。
■ 病気のサイン?受診の目安は?
【外耳炎の疑い】
頭を振ったり、首元をかいたりする様子が見られたら外耳炎を疑いましょう。
耳が赤かったり、耳垢がたくさんでたり、匂いが強かったりという症状が現れた場合は、すみやかに受診することをおすすめします。
【アレルギー性皮膚炎の疑い】
皮膚の特定の部位をかくことで赤く炎症を起こし、脱毛を伴います。またアトピーの場合は、年齢が若く、耳、目や口の周り、足先、脇、内股をかゆがる傾向があります。
【膿皮症の疑い】
皮膚は感染により慢性化すると分厚く硬くなり、黒色に変色します。膿を持った小さな発疹が複数できるのが特徴です。
◾️まとめ
愛犬が体をかく仕草は特別なことではないため、病気のサインを見逃してしまうこともあるかもしれません。
普段からスキンシップの際などに皮膚の状態を確認したり、同じ部位をかきむしったりしていないか日頃から注意深く見ておくと安心ですよ。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
- 老犬のための負担の少ないシャンプーの方法(2020.08.04)
- 老犬老猫それぞれの介護(2019.05.15)
- 老犬の排泄介助の方法とは?排泄を促す方法を解説(2022.04.22)
- もしもの時どうする?愛犬と共に災害に備えるヒント(2024.10.30)
- 老犬との生活がもたらすメリットを紹介(2024.09.30)
- 施設訪問記 小淵沢IKIGAIペットセンター(2024.08.30)