愛犬の身体にしこりが?原因と良性と悪性の見分け方
2021.04.16 (老犬ケア)
愛犬の身体を撫でていたら、小さな突起物に違和感を感じ、小さなしこりを発見したことはありませんか?「もしかして何かの病気?」と不安になる飼い主さんも少なくないでしょう。
そこで今回は悪性と良性のしこりの見分け方と原因について解説していきます。
■ 良性のしこりの特徴とは?
【良性の場合の特徴と原因】
良性のしこりができる原因の多くは「パピローマウイルス(乳頭腫ウイルス)」による皮膚乳頭腫だと言われています。
ウイルス性のものはパピローマウイルスを持っている犬との接触により感染することがほとんどです。肥満やストレス、睡眠不足など免疫力が低下しているときにできやすいため、注意が必要です。
皮膚乳頭腫は、白色から肌色をしていて、カリフラワー状腫瘤が見られることもあります。ウイルスによる感染は幼犬に多いのが特徴です。良性の場合は、数週間〜数ヶ月でポロリと自然にとれるのが特徴です。
一方ウイルスが関与しない皮膚乳頭腫は老犬に多くなります。
【良性の場合のしこりの種類】
・脂肪腫
皮下組織に発生するいわゆる脂肪のかたまりを指します。黄色く、柔らかいしこりができたときは脂肪腫である可能性が高いでしょう。
・皮内角化上皮腫
若い年齢の犬にできやすい良性のしこり。0.5〜4センチ程度のニキビのようなもので、腫瘍の表面には穴があいているのが特徴です。
・皮脂腺腫
9〜10歳くらいの老犬によく見られるカリフラワー状の腫瘍。皮膚の内部になる皮脂腺が異常に増殖することで発生します。通常は良性のことが多いです。
・皮膚組織球腫
3歳未満の若い年齢の犬に発生することが多い、赤い円形ドーム状のしこり。顔面、頭部、足先に好発し、自然に退縮することもありますが、大きくなることもあるので、切除した方が良い場合があります。
■ 悪性のしこりの特徴と原因
赤黒い色や紫色をしているしこりは悪性の可能性があるでしょう。
良性のものよりもサイズが大きくなることが多く、小さかったしこりが時間とともにどんどん大きくなっていくのが特徴です。また、触ったときにコリコリ、ゴリゴリとしている場合には悪性である可能性があります。
悪性腫瘍には体表にあるリンパ節が腫れてくる「悪性リンパ腫」や肥満細胞が腫瘍化した「肥満細胞腫」などがあり、どれも発見が遅れると転移などで命にかかわるため早急な対応が必要となります。
◾️まとめ
愛犬の身体にしこりを見つけると病気のサインではないかと心配になるものです。良性の場合もありますが、悪性腫瘍の可能性も考えられますので、悪性の特徴が見られる場合は早めに受診するようにしましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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