施設訪問記 ペットホームOHANA
2021.06.04
三重県三重郡の老犬ホーム「ペットホームOHANA」を訪問し、代表の小嶋さんにお話を伺ってきました。
小嶋さんがこの施設を開設したのは昨年の11月。それまでは別の老犬介護施設に5,6年ほどスタッフとして勤務されていました。以前の施設ではペットシッターや家庭犬のしつけ訓練士としても働いていましたが、その中でも飼い主さんが高齢になり愛犬の面倒が見られなくなってしまったり、愛犬の介護が大変で精神的に追い込まれてしまったりといった事情に数多く触れてきました。
コロナ禍でペットを飼う人が増えている中で、この先の老犬介護の需要はさらに増加するのではと感じているそうです。
「世間的に老犬介護は大変という認識がありますが、僕の場合はそこまで苦ではないんです」という小嶋さん。動物好きが高じて、施設で働く前も保護犬のボランティアを手伝っていたとのことで、お世話をする楽しさが大変さに勝るのだとか。
「動物と触れ合うのが好き」という想いで介護を続けることができるのも、お世話をする側の体力があってこそ。介護の現場には体力がある若いうちにできることのアドバンテージがあるといいます。
「飼い始めの頃は介護の大変さって想像が難しいと思いますが、人間と同じく夜寝られないこともあるし、追い込まれる飼い主さんをたくさん見ています」
小嶋さんが介護に興味を持ったのは、個人ボランティアのお手伝いをしていた頃から。それからいずれは自分で介護施設を運営できるようになりたいと勉強を兼ねて介護施設にスタッフとして勤務し、経験を積んできました。
今まさに大変な思いをしている飼い主さんには、一人で抱え込まずに何でも相談して欲しいといいます。
小嶋さんに施設のスタッフとして動物のお世話を中心に働いていた頃と、ご自身が代表として運営するようになってからの違いを尋ねると、飼い主さんと直接やりとりできる現在の方がよりお世話がやりやすくなったと話してくれました。
日々たくさんの老犬のお世話をしてきても、それぞれの特徴や介護の仕方は様々。ご飯の食べさせ方や日常の細かいところを飼い主さんと打ち合わせして細かい対応ができる現在は自分のやりたいことができている感覚が大きいそうです。
お預かりするときには、飼い主さんに安心して利用してもらえることを第一に心がけているとのこと。愛犬の普段の様子をできるだけ細かく聞き、家との環境の違いをいかに埋めていってあげるかを試行錯誤されています。これまでの経験をもとに飼い主さんへ介護のアドバイスをすることもあるそうです。
施設の中は清潔感が保てるよう設備などにこだわり、工夫しました。内装は暖かい雰囲気でリラックスして過ごせるインテリアに。ルームランができる広いスペースを確保するために間取りも変えました。室内に障害物は作らず、全体に目が行き届く空間です。
施設を開設してから現在までコロナ禍ということもあり、まだ近隣の方の利用が中心とのことですが、介護が必要な老犬の他にも、他の犬との社会性を高めるために利用される方や、しつけ訓練などで預けられる方もいらっしゃるようです。
今後もっと利用者が増えてきたら、もっと広い場所でドッグランやリハビリができるプールがある施設などもできればと考えているとのこと。
自宅にいるようにリラックスできる施設でのびのびと過ごす動物たちが目に浮かぶようです。
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