老犬の幸せのために、日々の暮らしで意識したいこと
2021.06.18 (老犬ケア)
初めてわが家に迎え入れたときは元気な子犬だった愛犬も、月日とともに年をとり気づけば老犬に。体の機能が低下し、これまで当たり前にできていたことができなくなり家族のサポートが必要になることもあります。
今回のコラムでは、身体的に不自由を感じるようになった中でも老犬が幸せでいられるために、飼い主さんができることを考えてみたいと思います。
■ 愛犬の幸せのために心がけたいこととは?
【失敗しても怒らない】
年をとることで愛犬も身体を思い通りに動かすことが難しくなります。そのため食事をしていてもポロポロとエサをこぼしてしまったり、トイレの失敗が増えたりと、当たり前にできていたことが少しずつできなくなってしまいます。
掃除や後片付けに追われる飼い主さんにとって、イライラを感じてしまうことがあるかもしれません。忙しい時などは、つい愛犬を怒ってしまう…なんてことも。
しかし、できていたことができなくなったことで一番悔しい思いをしているのは愛犬です。足腰が弱くなるなどの身体の変化は愛犬にとって不安なことでもあります。そのため飼い主さんは愛犬の失敗を寛容な気持ちで受け止め、なるべく怒らないようにしましょう。
【家に閉じ込めず刺激を与えてあげる】
愛犬はいくら年をとっても外の空気や匂いを感じていることが好きなのです。
そのため、老犬になったからといって、急に散歩の距離を短くしたり、お出かけをしなくなったりするのは、愛犬から生きる楽しさを奪ってしまいます。
歩くのが難しい場合でも、カートや抱っこで色々な場所に連れていってあげましょう。たとえ以前のように走り回れなくても、お出かけは愛犬にとってよい刺激となり、さらに飼い主さんとの大切なスキンシップの時間となるのです。
■ 愛犬が幸せに暮らせるための生活習慣
【怪我をしない住環境を整える】
老犬になると足腰が弱くなるため、家の中でも思いがけない事故が起きることもあります。滑りやすいフローリングにはマットを敷いて、なるべく段差の少ない空間を作りましょう。
また目が悪くなったり、転びやすくなったりするため、老犬がケガをしそうな危険なものを片付けて、部屋のなかをすっきりした状態にしておくと安心です。
【定期的に歯のチェックを】
食べることは生きるうえで大切な行為。食べられることは長生きの秘訣とも言われています。食べ物をちゃんと噛んで食べられる健康な歯を保てるよう、愛犬の口内環境を定期的にチェックしましょう。
以前より口臭がきつくなった、食事中ボロボロこぼしてしまうという変化が見られた場合は、歯科処置を行っている動物病院へ。歯周病などの口腔トラブルを抱えている可能性があります。
【食事は食べやすいように工夫を】
犬も加齢とともに内臓の機能が衰えてきます。今まで与えていた食事やおやつが消化の負担になることもあります。そのためなるべく消化の負担にならない食事作りを考えあげることが大切です。
例えばドライフードを与えているのであれば、お湯でふやかすなどの工夫をしてあげましょう。また年をとるにつれて一度に食べられなくなることがあります。その場合は、1回量を数回に分けて、食事を与える回数を増やす方法もあります。
◾️ まとめ
犬も人間もお互いに年をとるもの。月日を経て、身体が変化するように幸せだと感じることも変わっていくでしょう。ありのままの愛犬を受け入れ、ともに日々の暮らしを楽しんでいけたらいいですね。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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