愛犬の目やにが多い原因は?病気のサインを解説
2021.08.06 (老犬ケア)
最近やけに愛犬の目やにが多くなった…。もしかして病気なのかもと心配になる飼い主さんも多いはず。
目は重要な器官であるため、病状が悪化して、取り返しのつかない状況に陥ることはなんとか避けたいものです。
そこで今回は、目やにの症状から考えられる目の病気について解説します。
■ 心配のない目やに
まずは生理現象で心配のない目やにについてあげていきます。これらは今までと目やにの量に変化なく、その他の症状が見られなければ、問題とならないことが多いです。
○ 黒っぽい目やに
目に入ったゴミやホコリが固まると、黒っぽく乾燥した目やにが出ることがあります。
○ 茶色っぽい目やに
目の細胞から出る分泌物や老廃物が固まると、茶色っぽい目やにが出ることがあります。主に寝起きのタイミングが多いでしょう。
○ 白い目やに
白い目やにも犬が生活する上で自然に分泌される正常な目やにです。皮脂腺や老廃物、目の粘液の固まり、白い目やにとしてあらわれます。
また寒い場所でも走り回れるのは、肉球の裏に静脈が冷えても、すぐ近くを通る動脈が血液を温め直してくれるためです。
■ 病気の疑いがある目やに
以下のような目やにが出ている場合は病気の可能性も考えられます。愛犬の様子をよく観察して獣医師に相談するとよいでしょう。
▲ 目の表面を覆う目やに
眼球を覆うように目やにが出ている状態は病気の可能性も。
ドライアイなどにより目の表面が乾き、粘度の高い目やにができることがあります。また、重度の結膜炎でも同じような症状があらわれるでしょう。
▲ 黄色や黄緑の目やに
膿のようなドロっとした黄色い目やには、結膜炎やドライアイの初期サインが考えられます。病状を進行させないよう、なるべく早く動物病院を受診してください。
▲ 目やにのニオイが臭い
目やにのニオイがこれまでよりも臭いと感じたら、異変のサイン。菌が繁殖している可能性があります。
そのまま放置しておくと、結膜炎などの病気を引き起こすこともあるため、獣医師に一度相談してみましょう。
■ 犬の目やにから考えられる病気
【角膜炎】
黒目部分を覆っている「角膜」が刺激を受けることによって起こる目の病気です。
異物が目に入ったり、目を強くこすったりといった直接的な刺激以外にもアレルギーによって起こる場合、細菌・ウィルスなどによる感染症が原因となることもあるようです。
症状としては、目を痛がったり、涙や目やにで目の周りが汚れたりします。重度になると透明な角膜が白く濁るようになるでしょう。
【結膜炎】
まぶたの裏側にある結膜がウィルスや細菌などによる感染やアレルギーが原因で炎症を起こす病気です。結膜炎になると目やにが出るほか、結膜が赤くはれて涙がでたり、むくんだりします。
【ドライアイ(乾性角結膜炎)】
涙の量が減少することで目の表面が乾き、結膜の充血や角膜の炎症や傷などを引き起こす目の病気です。ドライアイになると、ねっとりとした目やにが出たり、目の充血などが見られます。重症化すると失明の危険まであるため注意が必要です。
【眼瞼内反症(逆さまつげ)】
まぶたが内側にめくれることでまつげなどが目に入り、角膜や結膜が刺激を受けることで炎症を起こす目の病気です。一般的に遺伝的なものが原因で発生することが多いといわれています。
目にかゆみや痛みが生じ、目やにや涙が見られます。
【ぶどう膜炎】
ぶどう膜とは、目の中のある「虹彩」、「毛様体」、「脈絡膜」という3つの部位で構成されている部位の総称で、このエリアが炎症を起こしている状態を「ぶどう膜炎」といいます。
目の充血や目やにの症状のほか、まぶしそうにまばたきすることもあります。
ぶどう膜炎は続いて緑内障などを引き起こしたり、感染症、免疫疾患など全身性の疾患の症状として出てくることがあるので、早期に治療を行いましょう。
◾️ まとめ
目やに自体は病気のサインではありませんが、量や色などの異変、その他の症状(目をシバシバする、結膜が充血しているなど)に気づいてあげることがなにより重要です。
最悪なケースを避けるためにも、日頃から愛犬の様子を注意深く観察しておきましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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