病院に行くべき症状は?注意したい犬のいびき
2021.10.22 (老犬ケア)
犬は人間同様に睡眠中にいびきをかくことはすでにご存知かもしれませんね。
睡眠中は喉の筋肉が弛緩することで気道が狭くなり、空気の抵抗が強くなります。その気道を空気が通ることで周囲の組織や粘膜が振動して音となり、いびきが発生するという仕組みです。
しかしこの「いびき」が病気のサインになっていることもあります。今回は、病院に行くべき犬のいびきについて解説します。
■ 犬がいびきをかく原因は?
【原因1:加齢】
老犬になると、喉や首の筋肉が衰えるため、若いときに比べていびきをかきやすくなります。
【原因2:短頭種】
頭蓋骨の長さに比べて鼻の長さが短い「短頭種」と呼ばれる犬は、鼻から気管にかけての気道が狭いため、いびきをかきやすいと言われます。短頭種の犬はブルドッグやパグ、シーズーなどが該当します。
【原因3:アレルギー体質】
犬がアレルギー疾患を起こすと、喉の粘膜が炎症を起こし腫れることがあります。すると喉が狭くなることで、いびきをかきやすくなるのです。
アレルギーの有無について気になる方は、動物病院を受診して獣医師に相談しましょう。
【原因4:肥満】
肥満傾向の犬は、脂肪で気道が狭くなることで、いびきをかきやすくなります。
■ 病院へ行くべき?注意が必要な犬のいびき
危険ないびきを見分けるポイントをご紹介します。
・いびきがどんどんひどくなっている。
・突然大きな音のいびきをかくようになった。
・いびきをかいているときの舌の色が紫色に変色している。
上記のような症状は、病気のサインである可能性も。重症化しないうちに動物病院を受診することをおすすめします。
■ いびきを引き起こす犬の病気
▼ 短頭種気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん)
短頭種の犬に見られる気道の解剖学的異常による呼吸器症状のことを言います。
主な症状はいびきや運動時・興奮時の呼吸困難が挙げられます。呼吸困難が続くとチアノーゼを引き起こし、重症化すると失神したり、最悪死に至ったりすることもあります。
▼ 軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)
先天的な異常によって上あごの軟口蓋が長いことで呼吸が妨げられおこる呼吸器系の疾患です。
主な症状はいびき、食事や水が飲み込みにくくなる、ゼーゼーと音を立て、口を開けたまま呼吸をするなどです。
▼ 鼻腔狭窄(びくうきょうさく)
先天的な要因により、鼻腔が狭まっている状態となります。主な症状は、睡眠時に鼻からいびきのような音を出して呼吸する、口を開けて荒い呼吸をするなどです。
少し運動をしたたけで酸欠になりやすく、熱中症のリスクも高いため夏場は特に注意が必要です。
▼ 気管虚脱(きかんきょだつ)
気管がつぶれたように変形し、呼吸がしづらくなる病気です。興奮した後などに咳が出たり、「ガーガー」という呼吸音を発したりします。
▼ 気道内の腫瘍
口腔内から気道内に腫瘍ができると、呼吸をするときの空気抵抗が大きくなり、いびきをかくことがあります。
◾️ まとめ
犬のいびきが気になった場合は、楽な姿勢に体勢を変えてあげたり、アレルゲンを除去するために部屋の掃除を徹底したり、肥満の場合は適正体重に戻すようにダイエットにも取り組んだりするとよいでしょう。
愛犬の異変にすぐ気づくためには、普段から寝ている様子なども確認しておくことが大切です。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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