気をつけたい!愛犬が冬にかかりやすい病気とは?
2021.11.26 (老犬ケア)
気温が下がるにつれ、犬も人間同様、寒さに影響を受け体調を崩しやすくなります。なかでも冬の時期にかかりやすい病気があるため、飼い主さんも注意が必要です。
そこで今回は、冬に注意したい犬の病気について解説します。
■ 寒い季節に注意したい病気とは?
寒くなると持病を持った愛犬やシニア犬は体調を特に崩しやすいため、以下の病気には注意するようにしてください。
【ウイルス感染症】
気温の低下や空気の乾燥により、ウイルスは増殖し、飛沫しやすくなります。
さらに寒さで体温が下がると免疫力が低下し、感染症のリスクが高まるためワクチン接種は忘れず受けておきましょう。
「犬ジステンパー」は、死亡率の高い犬の感染症。子犬などのワクチンを接種していない犬に感染しやすく、高熱やくしゃみ、咳がサインになります。
また、疫力の弱い子犬の死亡率が高い「犬パルボウイルス感染症」は、嘔吐や血便がみられます。高齢犬も感染しやすいため注意が必要です。
【呼吸器の病気】
空気が乾燥して気温が低い冬の時期は、鼻やのどの粘膜において、細菌やウイルスへの抵抗力が弱まります。
呼吸器系の感染症のなかには、激しい咳を伴い、気管支や肺の炎症を起こす犬ジステンバーやケンネルコフなどがあるため、注意が必要でしょう。特に子犬がかかりやすい傾向にありますが、予防にはワクチン接種が有効です。
【心臓病】
寒暖差は心臓に大きな負担をかけます。そのため高齢犬や心臓に持病がある犬は特に注意が必要です。
高齢の小型犬種に多い心臓病に「僧帽弁閉鎖不全症」があります。心臓の弁が変形し、血液が逆流することで咳や呼吸困難を引き起こす病気です。
このような持病がある場合、寒さによる急激な症状の悪化で死に至ることもあるため、気温の変化には注意しましょう。
【関節のトラブル】
冬は外に出るのが億劫になり、運動不足に陥りがちです。運動不足により筋肉が衰え関節を支えられなくなると、関節を痛めやすくなります。さらに痛みを感じる末梢神経は寒さでいっそう敏感になり、関節の痛みを悪化させることにもつながるでしょう。
【泌尿器の病気】
寒くなると日中の運動量が減少し、喉が乾かず水分の摂取量が夏に比べて少なくなってしまいます。そのため尿の回数も減り、膀胱炎や尿路結石など泌尿器の病気にかかりやすくなります。
対策の一つとして、愛犬がいつでも自由に水が飲める環境を整えておくとよいでしょう。外で排泄する習慣がある犬は、寒さで散歩を控えると、排尿を我慢して膀胱炎のリスクが高まるため、室内で排泄できるようトレーニングしておくと安心です。
◾️ まとめ
冬は飼い主さんも愛犬も体調を崩しやすいときです。日頃から体調管理をしっかり行い、また持病がある愛犬は、冬の過ごし方についてかかりつけの獣医師に相談しておくと、安心して冬の季節を過ごせるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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