犬のアナフィラキシー 原因、症状、対処法を解説
2021.12.17 (老犬ケア)
「アナフィラキシー」という言葉はよく聞くけれど、犬のアナフィラキシーはどのようなものか詳しくは知らない飼い主さんも多いかもしれません。
今回は犬のアナフィラキシーの原因やあらわれる症状について解説します。
■ 犬のアナフィラキシーとは?
アナフィラキシーとは、アレルゲンを体内に取り込むことで検疫系が過剰に刺激され、アレルギー反応が起こった状態です。
アレルギー症状の中でも短時間のうちに全身に渡ってアレルギー反応に伴う諸症状が発症する状態を指します。
■ 犬のアナフィラキシー症状とは?
犬のアナフィラキシーに伴う症状には以下のものがあります。
・顔の腫れ
・気道の腫れ
・血圧低下
・発疹(じんま疹)
嘔吐や下痢などの症状が見られることもありますが、皮膚や粘膜の症状、血圧の変化がまず起こりやすいでしょう。
このようなアナフィラキシーの症状が見られた際には、その後続けてもしくは同時に「アナフィラキシーショック」という症状が起こる場合があります。
<アナフィラキシーショックの症状>
・ぐったりする
・血圧が低下する
・呼吸が正常にできなくなる
・嘔吐・下痢
■ 犬がアナフィラキシーを起こす原因とは?
アナフィラキシーを起こす要因は、アレルギー症状を起こすきっかけとなる物質「アレルゲン」を体内に取り込むことが発症のきっかけとなります。
<主な要因として考えるもの>
・食べ物
・環境中の微細な粒子
・投薬やワクチン接種
・毒のある虫、ヘビによる刺傷や咬傷
ただし実際の症状としては、「散歩中に草むらに潜り込み、気付いたら顔が腫れていた」、「気付いたら膨疹や顔腫れの症状が出ていた」という原因について特定できないケースも少なくないでしょう。
■ 犬にアナフィラキシーの症状が出た場合の対処法
アナフィラキシーショックの症状が出た場合、その後急速に状態が悪化し、死に至る危険があります。そのため愛犬にアナフィラキシーを疑う症状が見られた段階で速やかに動物病院を受診しましょう。
【ワクチン接種後の異変】
軽症の場合は愛犬を落ち着かせることで症状が緩和されることもあります。
しかし症状を飼い主さんが判断することは難しいため、アナフィラキシーの疑いがある場合はまず動物病院を受診するのが最適です。
症状が早く出る場合ほど重症になる傾向があり、接種後15分~30分は病院内で待機して様子を見るようにします。
【食べ物による異変】
食べ物が口に入ったままの状態は窒息する危険性があります。まずは口から食べ物を取り除くようにしてください。その後ただちに動物病院を受診しましょう。
【蜂やヘビの毒による異変】
刺された箇所を確認し、針が残っているような針を引き抜きます。その後は毒を絞り出すように幹部を流水で流し、腫れや痛みを和らげるよう患部を冷やします。
この処置はあくまで愛犬がおとなしくしている場合のみです。無理強いはしないでください。
◾️ まとめ
アナフィラキシーはアレルギー反応の一種ではありますが、最悪命を落とす危険性もあります。万が一の事態に備えて、かかりつけの動物病院の休診日や夜間でも受診できる病院をあらかじめ調べておくことをおすすめします。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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