愛犬の気になる体臭 原因と対策を解説
2022.02.15 (老犬ケア)
定期的にシャンプーをしているのに、老犬になってからニオイがきつくなった…と、愛犬のニオイに悩む飼い主さんも多いかもしれません。
犬の体臭は老化とともに強くなりますが、いわゆる人間でいう加齢臭と同じようなものです。そのため老犬の身体のケアは若い頃に比べ、ますます重要になってきます。
そこで今回は愛犬の臭いの原因と正しいケア方法を解説します。
■ 犬が臭う原因とは?
犬のニオイの原因には、どのようなものがあるのでしょうか?
【汗腺により体臭が生じる】
犬には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」という2種類の汗腺があります。
エクリン腺はサラサラとした汗が出る汗腺で、足の裏などごく一部のみにあります。アポクリン腺は脂肪分を多く含んだ汗を出す汗腺です。アポクリン腺から分泌された汗と皮脂が酸素に触れて酸化することで強いニオイを発します。
犬はこのアポクリン腺が全身にあるため、体臭が強くなる傾向にあります。
【口内トラブルによる口臭】
口内に残った食べかすによって細菌が繁殖し歯垢ができると、口臭が生じます。高齢犬の場合は、歯周病である可能性が高いでしょう。
しかし口内トラブル以外にも、病気が原因で口臭を発していることもあります。口からアンモニア臭がする場合は腎臓や肝臓の疾患、甘いニオイの場合は糖尿病の可能性が考えられます。
【肛門腺によるお尻のニオイ】
犬の肛門腺の中には、強いニオイを発する分泌物が溜まる構造になっています。分泌物が溜まりすぎるとお尻からニオイを発するようになります。
老犬の場合は踏ん張る力が弱まり、肛門腺の分泌液が溜まりやすくなることがニオイの原因となることがあります。
【病気・耳垢による耳のニオイ】
皮膚や耳の病気、耳垢が原因で、ニオイを発することがあります。耳を振る仕草が頻繁に見られる場合は、ダニや外耳炎が考えられるでしょう。
特に垂れ耳の犬種は、耳の中が蒸れやすいため、ニオイを発しやすい傾向にあります。
■ 老犬におすすめの簡単ケア
老化が進むにつれニオイが強くなるものの、頻繁なお手入れは老犬にとって負担になりがちです。そこでポイントになるのが、手軽なお手入れをこまめに行うことです。
【負担にならない身体ケアで清潔に保つ】
シャンプーは老犬にとって、特に負担になりがちなケアです。自宅ではうまくできないため、サロンで行う飼い主さんもきっと多いでしょう。しかし頻繁にサロンに通うのは金銭的にも負担が大きくなります。
そこでおすすめなのが、犬用デオドラントスプレーや拭き取りケアミストによるニオイケアです。製品の多くが除菌や消臭ができ、そのうえ塩素やアルコールが不使用なのでデリケートな愛犬の皮膚にも安心して使えます。
【こまめに身体を拭く】
老犬は食べ汚しやよだれなどで口の周りが汚れやすくなるため、これらもニオイの原因になってしまいます。大判の犬用ウェットティッシュがあると、こまめに口、目、耳、目のまわりを拭いてあげられるので便利です。(目の周りや耳の中に使用する場合、溶液が入らないよう注意が必要です)
口の周り以外に、トイレ後のお尻拭きやお散歩後の足裏の拭き取りなどにも手軽に使えます。
【犬用マウスクリーナーで口臭予防】
口内ケアは老犬にとって欠かせないケアの一つです。歯ブラシをうまく使えない時は、コットンにマウスクリーナーをつけて、汚れを拭き取ってあげましょう。
ジェルを舐めるだけで口内炎や口臭予防ができる商品もあり、歯ブラシが苦手な愛犬におすすめです。
◾ まとめ
ある程度のニオイは仕方がないものですが、あまりに気になる場合は注意が必要です。ニオイの原因として病気が隠されている可能性があるからです。
ほかの症状もあわせて確認し、心配な場合は動物病院を受診しましょう。
病気以外の場合は、生活習慣や生活環境の見直しをおすすめします。消臭剤を使用したり、こまめに洗濯したりして、ニオイを軽減する工夫をしてみてください。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
- 犬の低体温症 症状や対処法を予防法とともに解説(2022.11.25)
- 老犬とおでかけ!楽しみ方と注意点(2018.04.28)
- 老犬と過ごす梅雨の日の快適な過ごし方(2020.06.11)
- もしもの時どうする?愛犬と共に災害に備えるヒント(2024.10.30)
- 老犬との生活がもたらすメリットを紹介(2024.09.30)
- 施設訪問記 小淵沢IKIGAIペットセンター(2024.08.30)