老犬の排泄介助の方法とは?排泄を促す方法を解説
2022.04.22 (老犬ケア)
「老化で足腰が立たなくなった」「脳の病気で立てなくなった」などの理由で排泄の姿勢がとれなくなった老犬は、排泄介助が必要です。
しかし飼い主さんもいざ排泄介助を行うとなると、適切なケアができているか不安になることもあるでしょう。
そこで今回は、老犬の排泄介助について解説します。
■ 老犬の排泄をうながす方法
排泄介助には、大きく分けて「排泄を促すこと」と「排泄させること」の2種類があります。
【排泄機能が残っている場合】
排泄機能が残っている老犬には、人が外的刺激を与え、最終的な排泄は本人に任せます。
尿の場合は、愛犬の体の大きさに応じて前方もしくは後方に立ち、体を支えます。小型犬・中型犬の場合は前方から、大型犬は後方から支えてあげると比較的安定するでしょう。
男の子の場合は、股の間から手を入れて、太ももの付け根を左右内側から支えます。女の子の場合は、足の付け根に近い胴体部分の左右外側を持って支えてあげましょう。
便の場合は、手や綿棒で肛門を刺激してあげると腸が肛門近くまで便を押し出してくれます。排泄機能が残っている愛犬の場合は、そこから自力で便を出せる場合があります。
なかなかもよおさない場合は、外へ連れ出すことで刺激となり、スイッチが入るケースもあるようです。
【排泄機能が残っていない場合】
自力で排泄できない老犬の場合は、人の手で出すことになります。
排尿の方法は、膀胱を両手ではさんでお尻側に押して圧迫します。尿がたまっていると膀胱は水風船のように膨らんでいるため、膨らんだ膀胱をはさむようにして押すと尿が出てくるでしょう。
圧迫しても簡単に尿が出ない場合は、無理に押すことをせずに、動物病院でやり方を指導してもらうとよいでしょう。
便の場合は、前述のように肛門を刺激して、肛門が便で盛り上がったタイミングで肛門周りをぎゅっと押して、便を押し出します。
しかし、肛門内に残った便は指を入れて出してあげなければなりません。その際は、ビニール手袋を使用するほか、肛門周辺には潤滑剤、軟膏、局所麻酔のジェル、ワセリンなどを塗ると愛犬の痛みが軽減されるでしょう。
■ トイレの失敗が増えてきたら
筋肉の衰えや歩行スピードの低下などにより、トイレに間に合わなくなったり、おもらしするようになったりもします。その場合は、愛犬の排泄時間を把握して、タイミングを見計らってはトイレに誘導したり排泄介助を行ったりしましょう。
場合によってはおむつの着用も検討してみてください。
◾ まとめ
加齢による衰えや寝たきり生活により、愛犬が自力で排泄できなくなることもあります。飼い主さんは、愛犬が不快にならないように適切な方法で排泄介助を行なってあげましょう。
便が硬いと出しにくくなるため、食事内容を調整するなど工夫を加えることで、愛犬も快適に排泄を行えるようになります。ぜひ参考にしてみてください。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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