早期発見が大切!老犬が注意したい耳の病気
2022.06.17 (老犬ケア)
犬も人間と同じように老化によって聴力が低下していきますが、耳の病気によって聴力が低下している場合もあります。
耳の中は外からは見えないため、飼い主さんが気づかないうちに病気が進行してしまう恐れもあります。
そこで今回は、老犬に起こりやすい耳の病気について解説します。
■ 老犬が注意したい耳の病気
犬が患う耳の病気の中でも、老犬に起こりやすい耳の病気を4つご紹介します。
【外耳炎】
「外耳炎」とは、耳の穴から鼓膜までの間に起こる炎症です。痒みがあるため頻繁に耳を掻く行動がみられます。
細菌や真菌などの繁殖やダニ、アトピーやアレルギー、耳掃除の際の傷などが炎症の原因となります。
外耳炎になると、以下の症状があらわれます。
・耳垢の量が増える
・耳から悪臭がする
・耳を痒がる
・耳の穴のまわりが赤く腫れている
・耳だれが出る
・頭を振る
悪化すると、鼓膜から先に炎症が進み中耳炎や内耳炎を引き起こす原因になり、早期発見が大切です。
【中耳炎】
「中耳炎」とは、鼓膜から耳管までの間に起こる炎症です。痛みがあるため耳を触られることを嫌がります。外耳炎の炎症が奥まで広がることにより起こる場合がほとんどです。
中耳炎になると、以下の症状があらわれます。悪化すると、難聴につながる場合もあるため注意が必要です。
・耳の周りや頭を触られると嫌がる
・耳垂れがある
・頭を傾ける
・元気がない
・柔らかい食べ物を好むようになる
・食べ物を痛くない側でばかり噛むようになる
【内耳炎】
「内耳炎」とは、中耳のさらに奥に起こる炎症です。神経症状や難聴が起こるのが特徴です。外耳炎や内耳炎・外傷などが原因で起こります。
内耳炎になると、以下の症状があらわれます。
・耳の周りや頭を触られると嫌がる
・頭を傾ける
・元気がない
・一方向にぐるぐる回る
・眼球が揺れる
・元気がない
・食欲不振
・嘔吐
症状に気づかないまま内耳の近くにある神経にまで炎症が及ぶと、顔面神経麻痺などの症状が起こることもあります。
【前庭疾患】
前庭疾患は内耳にある「前庭」に障害が起きるために平衡感覚を失い、様々な症状が起きる病気です。外耳炎や中耳炎、内耳の腫瘍などが原因と言われていますが、老犬に多い「突発性前庭疾患」は原因がわかっていません。
前庭疾患になると、以下の症状があらわれます。
・まっすぐ歩けない
・一方向にぐるぐる回る
・頭を傾ける
・眼球が揺れる
・食欲不振
・嘔吐
平衡感覚やバランスが取れなくなってしまう病気のため、倒れた時に外傷を負うこともあります。発症が疑われたら早めに病院に行きましょう。
◾ まとめ
耳の炎症は、外耳炎、中耳炎、内耳炎へと進行し、症状も重くなります。外耳炎の段階で適切な処置を行えば、早めに食い止めることが可能です。そのためには愛犬の様子を普段からよく観察し、耳の異常のサインに早めに気づくことが大切です。
耳の中は普段の生活では見えにくいため、動物病院で定期的に診てもらうようにすると安心でしょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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