犬の健診診断の必要性 頻度や検査内容を解説
2022.08.26 (老犬ケア)
愛犬に健康で長生きしてもらうためには、定期的な健康診断が大切です。
犬は人間に比べて成長スピードが早いため、体調の変化や老化のサインに早めに気づいてケアしてあげたいものです。
そこで今回は、老犬が健康診断を受ける頻度や項目について紹介します。
■ 犬の健康診断の頻度は?
犬は、一般的には最初の1年で、人間でいうと18歳ぐらいにまで成長します。そこから目安として小型・中型犬は1年に約4歳ずつ、大型犬は約7歳ずつ年齢を重ねます。
1歳になったら1年に1度、シニア期(小型・中型犬は7歳、大型犬は5歳)に入ったら半年に1度の健康診断が理想的です。
健康診断は、老化が始まる前から定期的に受けることをおすすめします。過去のデータと比較することで変化に気づきやすくなり、病気の早期発見がしやすくなります。
■ 健康診断の検査内容は?
年齢や生活環境に応じて必要な検査の内容は異なりますが、健康診断で行うことができる主な検査をご紹介します。
【身体検査】
身体検査では、問診・聴診・触診・視診が行われます。
問診:愛犬の日常で気になることを飼い主さんから聞き取りします。注意して診察するポイントを見つけるきっかけとなります。
聴診:心臓や肺の音、腸が動く音を確認します。
視診:皮膚や口の中・粘膜の色などを確認します。
触診:体全体を触って腫れやできものなどがないかをチェックします。
【血液検査】
血液検査には、貧血や炎症の有無、肝臓や腎臓などの臓器の機能、脂質の状態や血糖値などをチェックします。血液検査で臓器の異常や疾患が見つかった場合、より詳しい検査をする必要があると判断されます。
【尿検査】
尿に異常がないかをチェックし、糖尿病・腎臓病・尿路疾患・尿結石症などの異常を確認します。
【便検査】
寄生虫の有無・腸内細菌のバランス・血便の有無などを確認します。
【超音波検査】
臓器の構造・形・動きに異常がないか確認します。血液検査では発見できない異常を超音波検査で見つけていくこともできます。
心臓:先天性の奇形、弁の異常、心臓の壁の肥厚、しこりの有無など
腹部:肝臓・脾臓・消化管・腎臓・膵臓・副腎・膀胱・前立腺・子宮など
【心電図】
心拍数・不整脈の有無を確認し、心疾患の可能性を探ります。
【血圧測定】
肢や尾で血圧を測定します。心疾患、腎疾患、眼科疾患を疑う場合などにも確認します。
【眼科検査】
眼圧測定、涙量測定、角膜の傷の有無、眼の内部の状態、白内障やしこりの有無などを確認します。
まとめ
人間と同様に犬も、病気が見つかってから治療を行うのではなく、元気なうちから予防することが大切です。健康診断を定期的に行うことにより、病気の早期発見、早期治療の実現につながります。
また、健康診断の際に日々の食事やお世話などについても相談できるので、愛犬の健康管理のために活用してみてはいかがでしょうか。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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