冬の脱水症状に注意!原因や予防法を解説
2023.01.13 (老犬ケア)
脱水症状といえば夏に多く起こりますが、冬も注意が必要です。冬は暖房器具の使用や空気の乾燥によって、知らないうちに体から水分が奪われていきます。
脱水症状は、適切な処置が遅れてしまうと、命にかかわる場合もあります。老犬は体の水分量が少ないうえに喉の渇きも感じにくいため脱水症状に陥りやすく、特に注意が必要です。
今回は犬の脱水症状について、原因や症状、予防法をご紹介します。
■ 脱水症状とは?
脱水症状とは、何かしらの原因で体内に必要な水分量と塩分量が十分でなくなる状態です。犬が脱水症状になると、次のような症状があらわれます。
・皮膚の弾力性がなくなる(首の皮膚をつまんで引っ張り、指を離したときに皮膚が元の状態に戻りにくい)
・元気がない
・食欲がない
・嘔吐
・目がくぼむ
・口の中が乾いている
・皮膚や肉球が乾燥している
・体重の減少
・トイレの回数の減少(尿量の減少)
・意識消失
・痙攣
脱水症状は、重症化すると痙攣や意識消失を引き起こし、最悪の場合は命を落とすこともあります。
■ 冬に脱水症状が起こる原因
なぜ冬に脱水症状を起こすのでしょうか?考えられる原因について解説します。
脱水症状の疑いがあるときは、水分をとらせ、動物病院へ連れていきましょう。
【乾燥】
空気が乾燥する冬は、皮膚からの水分蒸発が進みます。
また、冬は気温が低いため水分補給の回数も減る傾向があります。そのため、気づかないうちに体から水分が失われ脱水症状に陥りやすいです。
【暖房器具】
愛犬の温度管理のために、冬はエアコンやホットカーペット、コタツなどの暖房器具を活用することがあるかと思います。常に暖房器具がある状態で過ごすと、体中の水分が奪われやすくなります。
【病気】
腎臓病や糖尿病があると、体内の水分量や塩分量がコントロールできなくなるため脱水症状となるリスクが高くなります。老犬は持病がある場合も多いため注意が必要です。
【老犬】
加齢によって筋肉量が減少すると、体に水分を保持しにくいと言われています。また、喉の渇きを感じにくいため飲水量が減り、体内の水分量が減ってしまいます。
■ 脱水症状にならないためにできること
【温度や湿度を管理する】
部屋が乾燥していると体の水分量が失われます。温度は20~25度、湿度は40~60%を維持するようにしましょう。
【飲み水の減りをチェッする】
水分をしっかり摂ることが脱水症状の予防に一番効果的です。冷たすぎる飲み水は飲みにくいため、室温と同じくらいの温度のものを用意するとよいでしょう。
【水分の多いドッグフードを選ぶ】
飲み水で水分補給ができないときは、食べ物から摂取するのがおすすめです。水分を多く含む缶詰やレトルト食品を食べさせることで、水分も一緒に摂取することができます。
嫌がらなければ、ドライフードに水をかけて食べさせても水分補給になります。
◾ まとめ
夏に多い脱水症状ですが、空気が乾燥し飲水量が減る冬も注意が必要です。適切な温度と湿度を保ち、飲水量を確認するようにしましょう。
特に老犬は、加齢によって喉の渇きを感じにくく脱水症状になりやすいため注意が必要です。
異変を感じたら軽度のうちに気づき対処することが大切です。日頃から愛犬の様子を観察し、異常を感じたら動物病院を受診してください。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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