犬の低血糖症に注意!症状や対処法を解説
2023.01.20 (老犬ケア)
人間と同じように犬も低血糖症になることをご存じでしょうか。低血糖症になるとぐったりして元気がなくなることが多くなります。
子犬に多くみられますが、老犬は病気の二次的な症状として発症することもあります。進行すると震えや痙攣を起こし、危険な状態になる場合もあるため注意が必要です。
今回は、犬の低血糖症について、症状や対処法を解説します。
■ 犬の低血糖症の症状
低血糖症とは、血液中のブドウ糖の量を表す血糖値が低下した状態を指します。
血糖値が急激に下がると、脳に十分なエネルギーが供給できず、体調にさまざまな影響を及ぼします。以下のような症状がみられたら、低血糖症を疑いましょう。
・ぐったりする
・元気消失
・散歩を喜ばない
・舌や肉球が白っぽい
・嘔吐や体の震え
・下痢
・脈拍が早くなる
・体温が低くなる
・後ろ足の麻痺
・痙攣 など
重症化すると、立ち上がれなくなったり、痙攣発作や意識障害が起きたりします。すぐに動物病院を受診しましょう。
■ 低血糖症の原因
どのようなことが原因で低血糖症になるのでしょうか?
【空腹】
空腹で激しい運動をすると低血糖症になることがあります。食事の間隔が空きすぎていないか注意しましょう。
【糖尿病の犬へのインスリンの過剰投与】
糖尿病の犬は、治療のためインスリンを投与しますが、必要なインスリンの量は体重によって決まり、過剰な場合は低血糖症になることがあります。
体重の増減があった場合は獣医師に相談し、適切な量を投与するようにしてください。
【寄生虫】
寄生虫に必要な栄養素を取られてしまうことで低血糖症を引き起こしやすくなることもあります。
【腫瘍】
老犬の場合、インスリノーマ、肝臓の腫瘍などによって、低血糖を起こすことがあります。
■ 低血糖症の対処法とは?
犬に低血糖の症状が出たときはすぐに動物病院へいきましょう。病院ではブドウ糖を静脈注射で投与する治療をおこないます。
すぐに病院にいけない時は家庭でも砂糖水やガムシロップを与えるなどの一時的処置ができます。誤嚥に注意して、舌の上に数滴垂らしましょう。
もし口があけられないような場合には、唇をめくって歯茎に塗りこんでください。
はちみつで代用も可能ですが、子犬や免疫が落ちた犬はボツリヌス菌による中毒が心配です。子犬には与えないようにしましょう。
体が冷えているときは温めたり部屋の温度を上げたりしてください。
◾ まとめ
低血糖症は子犬に多くみられますが、老犬でも起こる場合があります。食事の時間の調整やおやつを与えるなどして、空腹になりすぎないよう注意しましょう。
老犬の場合は、病気が関係している場合も多いため、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。
日頃から愛犬を観察し、低血糖症が疑われたら早めに動物病院を受診してください。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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