「施設訪問記 老猫ホーム&ショートステイ猫夢(ねむ)」。【老犬ケア】

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施設訪問記 老猫ホーム&ショートステイ猫夢(ねむ)

2023.03.20 (老犬ケア)

猫夢看板福岡県福岡市にある老猫ホーム&ショートステイ猫夢(ねむ)を訪問し、施設責任者の三宅さんにお話を伺ってきました。

三宅さんは10年程、障碍者の方のグループホームを運営されていました。そのホームで、アニマルセラピーの効果を期待し、保護猫との生活を始めました。猫たちはみんなの心を和ませ、元気づけてくれたそうです。利用者さんに、この猫は自分がいないと生きていけないという感情が芽生え、それが生きがいとなり、餌や排泄物の処理などもきちんと対応できるようになったり、また利用者さん同士のコミュニケーションのきっかけにもなりました。

もともと猫は苦手だったという三宅さん、利用者さんと一緒に猫のお世話をしているうちに気持ちが変化していきます。「猫、かわいいよね」と。手はかかるけれど子どもを面倒見るような感覚になったそうです。

その後、セラピーに向かなかった猫たちを自宅で飼うようになり、ご自身に何かあったとき、この猫たちはどうなるのだろうと考え、福岡に老猫ホームはあるのか調べたところ、老犬ホームはありましたが、猫専門の施設がありませんでした。
ないなら作ろうと思い立ち、制度などを勉強し、愛玩動物の試験も受け、2022年7月に老猫ホーム&ショートステイ猫夢(ねむ)をオープンします。

施設をつくるために借り受けた古民家は、ライフラインの整備なども含めたリフォームが必要だったため、クラウドファンディングにチャレンジ、見事、目標金額を達成します。その支援金で猫が快適に過ごす空間にするためにリフォームをされたそうです。

猫夢室内
お預かりする猫ちゃんに対して心がけているのは、猫ちゃんたちの性格をよく見極め、一緒に仲良くやっていく配慮をすることです。一緒に寝泊まりしていく中でよく観察し、合わない子同士は別の部屋に分ける対応をしています。またごはんの好き嫌いもあるので、エサの種類をいろいろと試しておられるそうです。

これから取り組んでいきたいことをお伺いしたところ、2つあげてくださいました。まずは、人も小動物も、どちらも幸せになれる関係を築いていける環境をつくることです。猫を譲受するには、さまざまなハードルがあり、特に高齢者の方は子猫を譲り受けることは難しい状況です。しかし高齢者も猫や小動物を飼うことで生きる気力につながることもあります。三宅さんは高齢者の方と老猫ホームで契約し、もし亡くなられた際も老猫ホームで預かるという形にし、保険も組み合わせて、みんながwin-winの関係をつくることを考えておられます。

もうひとつは、老猫ホームがいろいろな方の働く場所になることです。もともとグループホームで、障碍を持たれた方でも支援者になる事ができると、従業員の中に障碍を持たれた方がおひとりはいる環境をつくってこられたので、老猫ホームでもそういったことに取り組んでいきたいと語ってくださいました。

高齢の猫ちゃんの介護などでお困りの方へのメッセージをお伺いしたところ、「距離的な問題もあるかもしれませんが、ぜひ一度施設を見学に来ていただきたいです。」とお話しくださいました。都心に近い場所にありつつ、一軒家でどこか懐かしいような自宅と同じような感覚で、家族である猫ちゃんを預けても安心だと思っていただける施設を目指しており、見学に来られる方も多いそうです。

精神系福祉の資格もお持ちの三宅さんは、ペットロスの方の心のケアもできるようになりたいそうです。猫ちゃん、飼い主さん、そして老猫ホームで働く方々のしあわせな関係構築を目指す素敵な施設でした。

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