犬の胃拡張・捻転症候群とは?原因と症状や治療法を解説
2023.04.26 (老犬ケア)
「胃拡張・捻転症候群(いかくちょう・ねんてんしょうこうぐん)」とは、急に胃が拡張することで胃がねじれてしまい、体に様々な異常が出る急性の病気です。大型犬や老犬に多く見られ、発症すると死に至ることもあるため注意が必要です。
今回は、犬の胃拡張・捻転症候群の原因と症状や治療法について解説していきます。
■ 犬の胃拡張・捻転症候群とは?
「胃拡張」とは、胃にガスがたまって胃が拡張している状態です。胃拡張が原因となり、胃がねじれてしまった状態を「胃拡張・捻転症候群」と呼びます。
この状態になると、周りの臓器が圧迫されたり、他の臓器や血管などが胃と共に捻転したりすることも。血液の循環を妨げられ、体に様々な不調があらわれます。
■ 胃拡張・捻転症候群の症状
胃拡張・捻転症候群になると、以下のような症状がみられます。
・何度も吐きそうな様子を見せるが吐けない
・胃にガスがたまってお腹が大きく膨らむ
・お腹を触ると痛がる
・大量のよだれ
・ふらつく
・呼吸が早くなる
・ショック状態になる
食後1~4時間以内に体調が悪化し、症状が進むと多臓器不全を起こして最悪の場合は死に至る場合もあるので注意が必要です。
緊急性の高い病気であるため、症状がみられたら早急に動物病院に連れて行きましょう。
■ 胃拡張・捻転症候群の原因
原因には以下のようなものが考えられます。
・食後すぐに運動する
・早食いや一気飲み
・胃下垂
・遺伝的要因
・胃を支えているじん帯の伸び
どの犬種でも起こる病気ですが、大型犬に多く起こります。
老犬は胃を支えるじん帯が伸びてしまっていることが多いため、胃捻転を起こしやすいといわれています。
■ 犬の胃拡張・捻転症候群の治療法は?
ショック状態に陥っている場合は、点滴でショック状態の回復をはかり、胃のガスを抜く処置をします。
全身状態が落ち着いてから、全身麻酔の上で外科手術を行い、胃のねじれを元に戻します。
手術後は安静にし、激しい運動は控えます。食事内容は獣医師と相談しましょう。
◾ まとめ
胃拡張・捻転症候群は急激に進行して命に関わることもあるため、異変に気づいたらすぐに動物病院を受診しましょう。
大型犬や老犬は特にかかりやすい病気なので注意が必要です。普段の生活では、早食いや一気飲みや食後すぐの運動はしないようにしましょう。
愛犬の様子を観察し、胃拡張・捻転症候群が疑われる症状が見られたら、すぐに動物病院に連絡してください。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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