犬の骨粗しょう症 症状や予防法について解説
2023.05.29 (老犬ケア)
骨粗しょう症は、骨密度が低下して骨がもろくなる病気です。老犬の場合、加齢に伴い骨密度や骨の再生能力が低下するため、骨粗しょう症にかかりやすくなります。
骨粗しょう症は症状がわかりにくいため、健康診断や骨折の際に初めて気づく飼い主さんも少なくありません。
今回は、犬の骨粗しょう症について、症状や予防法をご紹介します。
■ 犬の骨粗しょう症とは?
犬の骨粗しょう症とは、骨密度が病的に低くなってしまう状態を言います。
加齢によって全身の新陳代謝が落ちると、骨を新たに作るよりも骨を分解する速度の方が速くなります。そうすると、骨密度が低くなり骨折しやすいなど、体調に変化があらわれます。
■ 骨粗しょう症の症状とは?
犬の骨粗しょう症の症状には以下のようなものがあります。
・歩き方に違和感がある
・動きがゆっくりになる
・運動を嫌がる
・関節を痛がる
・骨折する
・骨が変形する
老犬で、あてはまるものがあれば、骨粗しょう症の可能性があるかもしれません。重症化すると身体に大きな影響を与えることがあるため注意が必要です。
早期発見と適切なケアが重要なため、気になる症状があれば動物病院に相談しましょう。
■ 骨粗しょう症の予防法
骨粗しょう症を予防するために、以下のことに気をつけて生活してみましょう。
【定期的に健康診断を受ける】
定期的な骨密度の検査も、骨密度の低下を防ぐには重要です。
飼い主さんは、愛犬の骨粗しょう症の症状に気づかない場合も多いです。健康診断によって体調の変化に早めに気付くことができます。
副腎皮質機能低下症などの疾患に併発して骨粗しょう症になることがあるので、このような場合、基礎疾患の治療が必要になります。
【十分な栄養で強い骨格を育てる】
骨粗しょう症を防ぐためには、カルシウム、リン、ビタミンD、タンパク質等のバランスがとれた食べ物を与えるよう心がけましょう。
愛犬にとって適切な量の食事を心がけ、適正体重を保つようにしましょう。
【日々の運動で足腰を鍛える】
適度な運動を行うことで、筋肉や骨は強化され折れにくい強い骨に育ちます。体調に合わせて、散歩などを行いましょう。
【日光浴をする】
日光浴はビタミンDの増加と活性を促します。ビタミンDの活性により腸管内でのカルシウムの吸収が高まり、骨の質も良くなると考えられています。
散歩で日光に当たると運動もできて一石二鳥です。
カーテン越しの日光でもビタミンDの生成に効果があると言われているので、お散歩に行かない日もできるだけ意識してあげるとよいでしょう。
◾ まとめ
骨粗しょう症は、早期発見と適切なケアが大切です。定期的な健康診断で骨の状態をチェックするようにしましょう。
犬は骨粗しょう症によって骨が弱くなると、骨折のリスクも高まります。
飼い主さんは、日々の健康管理や食事管理によって、愛犬の丈夫な骨を保つようにしましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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