老犬は注意!梅雨から夏に起こりやすい食欲不振
2023.06.23 (老犬ケア)
日中の気温が上がり、多くの犬にとって苦手な夏がやってきます。日本の夏は湿度が高く、人も犬も体調を崩しやすい季節です。
老犬は特に季節的な環境の変化に影響を受けやすく、気温や湿度が大きく変化する梅雨時から夏にかけて食欲不振に陥ることが多く見られます。
今回は、梅雨から夏に起こりやすい食欲不振について、原因とその対策について解説します。
■ 梅雨〜夏に食欲不振を招く原因
◯ 気温の上昇
犬は暑さに対処するため、あえて食事を多く取らない場合があります。気温の上昇に伴って、消化機能が低下することがあるためです。
◯ 湿度の上昇
湿気が多くなることで、病気の発生源となるカビや細菌、寄生虫の発生率が高くなります。耳や皮膚の病気、食中毒を予防するために、衛生管理には十分注意が必要です。
◯ 運動(お散歩)不足
雨が続くと外へ出る機会が減り、運動不足になります。運動不足は犬にとってストレスです。ストレスが発散できないことで、精神的に食欲不振におちいることがあります。
■ 食欲がないときはどうしたらよい?
食欲が落ちている、ご飯を食べる量が少ないからといって、無理に食べさせようとする必要はありません。いつもの食事を消化の良いものに変え、涼しい時間帯に与えるなど工夫をしてみましょう。
また、お水は常に新鮮な状態を保ちましょう。食べ残しがある場合はすぐに廃棄し、清潔な状態を保つことが大切です。
散歩の距離や時間が減っている場合は、室内でできる運動を行います。
老犬は激しい運動ができないこともありますので、飼い主さんが優しく脚を動かすといった運動も良いでしょう。
■ 梅雨時における食品の注意点
・開封したフードは密閉し、冷暗所で保存する、もしくは食べきりのものにする
・生物は与えない
・食材はしっかり中まで火を通し、作りおきはしない
・食べ残しは廃棄する
・人間の食事を放置しない、与えない
真夏ほどの暑さにはならないこの時期は食中毒への危機感がゆるみがちですが、梅雨時は細菌が増えやすい環境が整っています。
手作りのフードや自然食を選んでいる場合、保存期間が短いため、特に注意が必要です。
◾ まとめ
愛犬にいつまでも元気に食事をとってほしいのは、すべての飼い主さんに共通する願いです。
とはいえ、気温や湿度の変化が不安定なこの時期は、どうしても食欲が落ちます。食事の量が減ったり、食べなかったりするときは、バランスの取れた消化の良い食事や与え方を工夫しながら、愛犬の様子をしっかり観察しましょう。
また、飼い主さんとの遊びを通したコミュニケーションで精神状態を観察することも大切です。運動不足を解消して、食欲不振の予防にもつながることでしょう。
食欲不振は消化器官に関わる症状です。飼い主さんの気付きが、愛犬の病気の発見につながることもあります。もし、1日以上食事をしない場合や、食欲不振だけではなく他の症状が見られる場合は、できるだけその日のうちに動物病院で診てもらいましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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