犬が人間の薬を誤飲 危険な薬や予防法を解説
2023.06.28 (老犬ケア)
誤飲は好奇心が旺盛な子犬期だけでなく、成犬や老犬でも起こりうる事故のひとつです。特に人間の薬の誤飲は、少量でも体調に影響が出ることがあるため注意が必要です。
誤飲した薬の種類や量にもよりますが、様々な中毒の症状が出て最悪の場合は命を落とすこともあります。
今回は、犬が飲むと危険な人間の薬や、誤飲してしまったときの対処法などについて解説します。
■ 犬が飲むと危険な人間の薬
中毒の症状は、誤飲した薬の種類や量などによって異なります。一般的な人間の薬でも犬にとっては危険な薬の成分をいくつかご紹介します。
【イブプロフェン】
市販薬にも含まれている解熱鎮痛作用のある薬です。人間の薬の中でも犬にとって最も危険な成分です。
犬にとっては少量でも有害であり、発作や昏睡状態に陥る可能性があります。胃潰瘍、腎臓、心臓、神経系統にもダメージを与えます。
【アセトアミノフェン】
解熱鎮痛作用のある薬です。小児でも安全に使用できる作用のおだやかな薬ですが、犬は大量に摂取すると中毒症状を起こします。
チアノーゼ、呼吸困難、顔が腫れる、うつ状態、低体温、嘔吐などの症状が見られます。
進行すると衰弱、昏睡に陥り、最悪の場合死亡することがあります。
【ビタミンD】
ビタミンDは人間の骨粗鬆症の薬に含まれます。人間の皮膚炎治療などに使われる塗り薬に含まれるビタミンD誘導体も犬が摂取すると危険です。
吐き気や食欲不振を引き起こし、大量に摂取すると腎不全に陥ります。
【クレオソート】
正露丸に含まれる成分です。胃壁や消化器に強いダメージを与えたり、中毒になったりする場合があります。
【抗うつ剤】
犬にも抗うつ剤が処方されることがありますが、人間の薬は別物です。飼い主さんが自己判断で与えてはいけません。
家庭の常備薬として一般的な薬も、犬が誤飲すると腎障害や肝障害、消化器障害などを引き起こす場合があります。重症化すると呼吸困難を引き起こし、最悪の場合は命を落とすこともあるため注意が必要です。
■ 犬が人間用の薬を誤飲したときの対処方法は?
○ 犬が届かない場所に保管する
棚の中に保管するなどしっかりと管理しましょう。犬が簡単には開けられない箱に入れておくと安心です。
○ 薬のしまい忘れに注意
飼い主さんが薬を服用している場合はしまい忘れに注意しましょう。床に落とさないようにも注意しましょう。
○ 人間の薬を犬に与えない
犬の薬は人間の薬と同じ成分のものも多いのですが、代謝や体重の違いから、投与量が異なります。飼い主さんが自己判断で人間の薬を犬に与えることは絶対にやめましょう。
◾ まとめ
家庭の常備薬として一般的な薬も、犬が誤飲すると少量でも体調に影響が出ることがあり危険です。愛犬が誤飲しないように人間の薬は届かない場所に保管しておくことが大切です。
特に飼い主さんや家族が薬を服用中の場合は、しまい忘れのないように注意しましょう。
万が一誤飲してしまった場合は、症状が出ていない場合でも動物病院へ連れていってください。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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