犬の高血圧に注意!症状や予防法を解説
2023.08.25 (老犬ケア)
人間と同様、犬も血圧が高いと病気のリスクが高まることをご存じでしょうか?
高血圧は、心臓病や腎臓病などの危険な病気をひきおこす場合もあるため注意が必要です。また、病気の二次的な症状として見られることもあります。
老犬は加齢に伴い血管の弾力性が失われるため、高血圧になりやすいと言われています。
今回は犬の高血圧について、原因や症状、対処法などをご紹介します。
■ 犬の高血圧とは?
血圧とは心臓から送り出された血液が動脈の内壁を押す力のことです。血圧が高くなると血管に大きな負担がかかり、体調にも影響が出ることがあります。
個体差はありますが、犬の血圧は最高血圧が100~150mmHg、最低血圧が60~100mmHgとされています。最高血圧が150mmHgで高血圧と診断され、160mmHg以上は治療が必要です。
血圧は年齢や体の大きさによっても異なり、時間帯や季節によっても変動します。普段から愛犬の血圧を測定し、健康な状態の血圧を把握しておくことが大切です。
■ 犬が高血圧で疑われる病気とは?
【腎臓病】
腎臓病は急性と慢性腎不全に分かれます。一度進行すると回復することが難しく、重症化しやすいため気付いた時には命を落とすこともあります。
犬が腎臓病になると以下のような症状があらわれます。
・体重減少
・毛に艶がなくなる
・水を欲しがる
・尿色が薄い
・動きが緩慢になる
急性腎不全の場合は、嘔吐や尿が出づらいなどの症状が出ますが比較的短期間で回復することが可能です。
また、高血圧を予防することで腎臓病の悪化を緩やかにすることができます。
【クッシング症候群】
「クッシング症候群」とは、脳下垂体や副腎の腫瘍が原因でホルモン異常が起こる病気です。免疫力が低下するため、様々な病気にかかりやすくなってしまいます。老犬はかかりやすいので注意が必要です。
適切な治療を行えば症状をコントロールすることが可能な病気ですが、発見が遅れると重症化してしまいます。
高血圧が気になったら動物病院を受診しましょう。
■ 高血圧を予防するためにできること
【血圧を把握しておく】
犬の血圧の測定は動物専用の血圧計を使い前腕や後ろ足やシッポで行います。定期的に動物病院で計測するようにしましょう。
【適度な運動をする】
高血圧の原因となる肥満の予防には適度な運動が効果的です。体重が平均値より多い犬は、獣医師に相談の上で体重を減らすようにしましょう。
特に心臓病を患っているなど運動制限がある場合は、必ず獣医師に相談しながら行ってください。
【バランスのとれた食生活】
高血圧による臓器への影響を減らすためには、タンパク質、リン、ナトリウム、カリウムなどに配慮した、心臓や腎臓に負担の少ない食事を心がけましょう。
ただし、持病がある場合は避けるべき食材も存在するため、体調に合った食事を与えるようにしましょう。
愛犬の血圧が気になるときは、獣医師に食事のアドバイスを受けることをおすすめします。
◾ まとめ
高血圧は無症状の場合も多いため、飼い主さんは気づきにくいかもしれません。しかし、なかには心臓病や腎臓病などの危険な病気が隠れている場合もあるので注意が必要です。
バランスのとれた食生活と適度な運動をし、高血圧を予防することが大切です。
日頃から愛犬の血圧を把握し、高血圧が疑われたら早めに動物病院を受診してください。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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