犬のむくみ 原因と考えられる病気について解説
2023.09.19 (老犬ケア)
愛犬の足や顔がむくんでいると感じたことはないでしょうか。左右で太さが異なったり、ひどいときには足先がパンパンになったりすることもあります。
むくみは一時的な場合もありますが、病気が隠れている可能性もあるため注意が必要です。
今回は、犬のむくみについて、原因や病気の可能性についても解説していきます。
■ むくみとは?
血流やリンパの流れが悪くなると、皮下組織に体液が過剰にたまり、むくみが発生します。
老犬は血流が悪くなりやすいためむくみやすいと言われています。
■ むくみが起こる原因は?
【同じ姿勢を取り続けたとき】
同じ姿勢で寝続けることや、包帯などで手足を強く圧迫されたときにむくみが発生することがあります。
特に寝たきりになった老犬は、時々動かしてあげないとむくんでしまいます。そのままにしておくと血流が悪くなり、悪化すると壊死することもあるため注意が必要です。
定期的に動かして位置を変えてあげると良いでしょう。
【病気】
むくみが続くようなら、病気が隠れている可能性もあります。
病気が疑われる場合は早めに動物病院に行くようにしましょう。
■ むくみがあると疑われる病気
【肝臓の病気】
肝臓の機能が低下すると、低アルブミン血症を起こして、むくみが起こります。
肝炎、肝臓腫瘍などが考えられます。
【腎臓の病気】
腎臓の機能が低下することによって、水分が体内に過剰に溜まりむくみが起こります。
腎盂腎炎(じんうじんえん)・糸球体腎炎(しきゅうたいじんえん)が考えられます。
【消化器の病気】
タンパク質が消化管から漏れ出ることで、むくみを起こすことがあります。
リンパ管拡張症や炎症性腸疾患などになるとむくみが起こります。
【心臓の病気】
心臓から拍出される血液量が減少すると、腎臓の働きに影響を与えます。
腎臓の働きの低下によって体内に水分が過剰に溜まるようになり、むくみが起こります。
犬糸状虫症、先天性心疾患、心筋症などの病気が考えられます。
【アレルギー】
アレルギーによるむくみは目や唇の周囲にみられます。
食物やワクチン注射などが原因となります。
■ むくみがみられたときの対策
【定期的に体の位置を動かす】
寝たきりの場合は、寝返りを打たせてあげるなどして定期的に体の位置を動かすことが効果的です。
【マッサージをする】
動かさなくなった手足をマッサージすることで血流が良くなり、むくみが改善される場合があります。寝たきりで床ずれができている場合は皮膚の状態を見ながらマッサージしましょう。
腫瘍や血栓ができている場合は、マッサージしない方が良いこともあるので、獣医師に相談しましょう。
【包帯などの圧迫を緩める】
怪我などで包帯をきつく巻いている場合、緩めることなどで改善がみられることがあります。
【動物病院を受診する】
むくみが続く場合は病気の可能性もあります。気になるようなら動物病院を受診しましょう。
◾ まとめ
犬のむくみは、体調をあらわす重要なサインです。愛犬が同じ姿勢を取り続けていないか、体調の変化がないかを注意して観察しましょう。
特に老犬は寝ている時間も長く、持病があることも多いため、むくみには注意しましょう。
普段から、愛犬の様子を観察し、早めにむくみに気づくことが大切です。気になる場合は早めに動物病院に相談してください。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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