老犬の腸内環境 整えるポイントについて解説
2023.10.26 (老犬ケア)
愛犬のお腹の不調に悩む飼い主さんも多いのではないでしょうか。
老犬になると消化機能が衰え下痢をしやすくなりますが、特に目立った病気がない場合は腸内環境が関係しているかもしれません。
免疫を活性化し、消化吸収を順調に行うために、腸内環境を整えることは非常に重要です。
今回は、犬の腸内環境について、整えるポイントとともに解説します。
■ 「善玉菌」と「悪玉菌」
犬の腸には「善玉菌」と「悪玉菌」が存在し、一定のバランスを保って健康状態を維持しています。
「善玉菌」は免疫力や抵抗力を高め、消化を促進するなど健康維持に欠かせない働きをする菌の総称です。一方「悪玉菌」は腸内で有害物質を作って体にとって悪い働きをする菌の総称です。
善玉菌が減少すると、悪玉菌が急激に増えて腸内環境が悪化します。善玉菌は加齢によっても減少するので、老犬は特に注意が必要です。
■ 悪玉菌が増えるとどうなる?
腸は食べ物の栄養素を消化・吸収・排泄する働きを担っていますが、腸内に悪玉菌が増えると、栄養素の吸収が悪くなり排泄されてしまいます。
おなかの調子が乱れると、以下のような症状がみられます。
・下痢や便秘をする
・便のにおいが変わる
・息が臭くなる
・排便時にいきむ
また腸内環境は便秘や下痢だけでなく、以下の疾患とも関連することがわかっています。
・犬アトピー性皮膚炎
・アレルギー疾患
・肝臓の疾患
・腎臓の疾患
・精神疾患
腸内環境は下痢や便秘だけでなく、一見関係なさそうな疾患とも関係があると言われています。愛犬の健康のために腸内環境を整えてあげることが重要です。
■ 犬の腸内環境を整えるポイント
良好な腸内環境を保つためには、善玉菌を増やし悪玉菌を増やさないことです。
腸内環境を整えるためのポイントをご紹介します。
ポイント1:健康な食生活
現代の犬の食生活は、熱加工されたドッグフードが中心となりました。
生きた善玉菌を口にする機会が少ないため、ドッグフードに腸内環境を整える食材をトッピングするとよいでしょう。
おすすめの食材をいくつかご紹介します。
・ヨーグルト
・バナナ
・りんご
・キウイ
・ごぼう
・キャベツ など
消化しやすいように、細かく刻んだり、加熱してから与えましょう。サプリメントを活用するのもよい方法です。
新しい食材を取り入れる際には、食材や与える量など、獣医師に相談してから始めるとよいでしょう。
ポイント2:ストレスをためさせない
犬は強いストレスを感じたり、ストレスがたまったりすると、自律神経の働きが乱れて胃腸の動きが鈍くなります。
愛犬にストレスを与えないように、以下のことに注意しましょう。
・適度に運動をする
・散歩に出かける
・適度なコミュニケーションをとる
◾ まとめ
犬の腸内環境は、下痢や便秘以外にも犬アトピー性皮膚炎やアレルギー疾患などの意外な病気と深いつながりがあります。病気の予防のために、健康な食事とストレスをためない生活を心がけましょう。
老犬は加齢によって腸内環境のバランスが崩れやすいため、意識的に腸の健康を保つことが大切です。
腸内環境を整え、健康で長生きを目指しましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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