寒くなっても大切な散歩 老犬に必要な対策は?
2023.11.29 (老犬ケア)
日が暮れるのが早くなり、朝晩の気温がぐっと下がるようになってきました。いよいよ寒い季節の到来です。
寒い中の散歩はちょっとつらいな、と感じる飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。ですが、寒いから、愛犬が高齢だからといって散歩をさせないというわけにはいきませんよね。
今回は、老犬の寒い時期の散歩方法と注意点について解説します。
■ 寒くても老犬に散歩が必要なワケ
老犬にとって、散歩は適度な運動になり、筋力の維持に役立ちます。筋力が維持されることで体の熱を生み出す力も維持され、寒さに対する耐力も維持されます。
また、外出することで適度な刺激を受けることができ、脳の活性も期待できます。
散歩は、心身共に健康を保つための大切な時間なのです。
■ 老犬の散歩はヒートショックに注意
元気な犬でも、暖かい室内から急に寒い外気に当たることで、血圧が急激に変化することがあります。急激な温度変化によって血圧が急激に変化し、身体がダメージを受けることを「ヒートショック」といいます。
急に寒冷な場所へ移動すると体温を奪われないよう血管が収縮し血圧が上昇します。その状態から急に暖かい場所へ移動することで血管が広がり急激に血圧が下降します。
このような血圧の乱高下が心臓に負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中の引き金になります。
体温調節や内臓の機能が低下している老犬は特に注意が必要です。
■ ヒートショック対策をしよう!
外出時の温度差を和らげるために、次のような工夫をして散歩へ出かけましょう。
【準備運動をする】
いきなり外へ出かけるのではなく、室内で軽く遊んだり、歩いたりするようにして体を温めます。
飼い主さんが足を持って動かし、関節周辺の血行を促進させるのも良いでしょう。
【服を装着して防寒】
体温調節機能が低下している老犬のために、服を着せてあげましょう。外出時の急な体温の低下を和らげることができます。
【日中の暖かい時間を選ぶ】
太陽が出ている時間帯、昼下がりの暖かい時間帯を選んで散歩をしましょう。日光に当たるために、日向の道を選んで歩くこともおすすめです。
【帰宅後は体を温める】
帰宅後は服を外し、外気で冷えた肌や足を温めてあげます。バスタオルやブランケットで体を包んで、軽くマッサージをするのも良いでしょう。
◾ 最後に
老犬にとっての散歩は、メリットが多くあります。飼い主さんにとっても、愛犬の適度な運動量や体調を観察できる大切な時間です。
冬はその日の天気や気温、愛犬の体調をよく見ながら、決して無理はせず、楽しく散歩を続けていきましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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