老犬の命を守るフィラリア症予防について
2024.03.24 (老犬ケア)
気温や湿度が徐々に上がり、過ごしやすい季節がやってきました。冬眠していた虫も目を覚まし、活動を開始する季節です。
今回は、老犬であるからこそ続けたいフィラリア症予防についてお伝えします。
■ フィラリア症とは
フィラリア症は蚊を媒介してかかる病気です。フィラリア(犬糸状虫)という寄生虫が心臓や血管内に寄生し増殖することで、乾いた咳、疲れやすい、腹水貯留、呼吸困難、貧血、運動後の失神、血尿などの症状があらわれます。
初期段階では症状がほとんどないのですが、知らないうちに病気が悪化している場合もあり、突然死を招くこともあるとても怖い病気です。
早期に治療すれば日常生活に戻れる病気ではありますが、予防すれば病気にかかる心配はありません。薬品にアレルギーがある場合以外は、しっかりと予防することが大切です。
■ 老犬にフィラリア予防は必要か
「最近はお外に出る日も減っているし、しばらくフィラリア予防薬はいいかな?」と考えている飼い主さんはいらっしゃいませんか?
確かにお外に出なければ蚊に刺される確率は減るかもしれません。しかし、蚊に刺される可能性は皆無ではありません。窓を開けて換気をしたり、飼い主さんが外出したりすればドアの開け閉めをします。
その隙に蚊が室内へ入り込む可能性は十分にあります。フィラリア症にかかる可能性はゼロではないのです。
■ 老犬に合うフィラリア予防薬は?
フィラリア予防薬は錠剤や注射などさまざまな種類があります。老犬は飲み込む力が衰えている場合が多く、飲み込んだときに気管に入ると誤嚥性肺炎の危険があります。そのため、動物病院で受ける皮下注射や、滴下タイプの薬を使うとよいでしょう。
滴下タイプの薬は液剤を首の後ろに塗布するもので、口から入れるタイプの薬のように吐き戻しのリスクが少ない特長があります。外出が難しい犬にも適しています。
■ フィラリア予防薬に副作用などの危険性は?
フィラリア予防薬を定期的に続けている犬であれば副作用の問題はないでしょう。
ただし、フィラリア陽性の場合、予防薬の投薬によって子虫が一気に駆虫されることでショック症状を起こす可能性があります。このようなことを起こさないために、動物病院でフィラリアの検査を行ってから、獣医師の指示を仰ぎましょう。
■ さいごに
昨今の気候変動により、12月頃まで温度や湿度が高い日が増加しています。そのため、蚊の活動期間も長くなっています。
地域や環境によっても予防の期間は変わってくるので、適切にフィラリア予防の対策をとることが大切です。かかりつけの獣医師と相談しながら、継続して愛犬の命を守っていきましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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