老犬の睡眠時間からわかる病気とは?
2024.06.27 (老犬ケア)
「愛犬がなかなか夜寝てくれない」 「歳をとってきたら、1日中寝てばかりいる」 これらのようなことはありませんか?
老犬になると睡眠時間が変化する場合があり、その状態に心配になる飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。
今回は、愛犬の睡眠時間の変化の理由や、睡眠時間からわかる病気について解説します。
■ 犬の平均的な睡眠時間
成犬の平均的な睡眠時間は12〜15時間ですが、7,8歳以上の老犬世代になると18〜19時間と長くなります。
犬の睡眠時間が長い理由は、浅い眠りの「レム睡眠」が全体の80%といわれているためです。全体的に眠りが浅い分、睡眠時間を多く必要としているのです。
老犬の場合は、成犬の頃と比べて体力が低下し疲れやすくなっていることから、さらに3〜4時間長く眠ると考えられます。
■ いつまでも寝ている老犬の場合、考えられる病気は?
老犬は睡眠時間が長くなる傾向にありますが、極端に長い場合は以下のような病気が潜んでいる可能性があります。
・甲状腺機能低下
・脳腫瘍
・認知症
・関節の痛み
など、さまざまな原因が考えられますが、気になる場合はすぐにかかりつけの動物病院を受診しましょう。
また、睡眠時間が長くなることで、動かないことによる筋力の低下や血行不良、褥瘡(床ずれ)を起こすことがあります。愛犬のQOL(生活の質)を低下させない工夫が必要です。
以下のようなケアを取り入れてみることをおすすめします。
・マッサージやブラッシングなどのスキンシップを丁寧に、時間をかけて行う
・横になったままできる運動(足の曲げ伸ばしなど)を行う
・日光浴をさせる など
■ なかなか寝てくれない、睡眠時間が短い場合の原因は?
睡眠時間が短い原因として考えられるのは、認知症や、体の痛みで寝付けない、ストレスや不安感、頻尿で何度もトイレに行くなど、多岐に渡ります。
ストレスや不安感といった精神面からくる不眠には、日光浴や体を動かすことで少しずつ解決できる場合があります。太陽の日差しを浴びながら散歩をすることで、適度な疲労と体内時計の調整が夜の睡眠を促してくれます。
しかし、対策をとっても改善しない、愛犬の睡眠に変化があるなどの場合は、病気が潜んでいる可能性もあります。かかりつけの動物病院を受診することが大切です。
■ 最後に
普段から愛犬の睡眠中の寝相やいびきの変化、夜泣きや昼夜逆転などがないか、よく観察しましょう。動物病院を受診する際には、愛犬の様子をしっかりと獣医に伝えることで、病気の早期発見につながります。
愛犬の眠っている様子を普段から観察し、変化にはすぐに気づけるようにしておきましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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