年末年始は、家族揃って過ごす大切な時間です。
しかし、老犬がいるご家庭では、いつものように過ごせるか不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

今回は、老犬との穏やかな年末年始を過ごすためのヒントを、具体的な事例を交えながらご紹介します。

■ 体調不良になる前に！健康状態をチェック

年末年始は寒さが厳しくなるため、体調管理に気をつけてあげましょう。
特に、老犬はちょっとした変化でもその後の体調が急激に変化する場合もありますので注意が必要です。

・獣医師への相談
年末年始は動物病院が休診の場合もあります。年末の早めの時期に、一度受診し、健康状態をチェックしてもらいましょう。

・常備薬の確認
年末年始を過ごせるだけの必要な薬が確保できているか確認しましょう。不足しているのであれば、事前に処方してもらいましょう。

・体温管理
寒さ対策として、暖かい寝床や必要に応じて犬用の服を用意するとよいでしょう。

・運動量の確保
天候などの理由で外出が減ることもありますが、愛犬にとっては、運動は欠かせません。愛犬の体力に合わせて、年末年始も必要な運動を取り入れましょう。

■ 事前に年末年始をどう過ごすかを決めておく

老犬がいる場合、若い犬と比べて動作も遅くなり、なかなか思うようには外出ができなくなります。
また、体力も以前に比べて低下しているため、予定を詰め込みすぎると体調不良に繋がりやすくなります。以下のポイントを意識して、無理のないスケジュールを立てましょう。

・普段通りを心がける
特別なことをしたくなるかもしれませんが、愛犬のためにはなるべく普段通りに生活し、生活リズムを保つことがおすすめです。
普段通りであれば、ストレスも感じにくくなり、愛犬にとって快適に過ごせるでしょう。

・周りの環境を意識する
年末年始はイベントが多く、周囲の環境が賑やかになることもあります。外出先でも、人混みや騒音が発生することもあるため、事前に家の周りや、外出先の環境をチェックしておきましょう。

・時間の確保
普段仕事をしている飼い主が休暇となれば、愛犬と過ごす時間を確保できるようになるでしょう。
普段長く一緒に過ごせないのであれば、一緒に過ごす時間を確保してスケジュールを考えてみてはいかがでしょうか。

・休息のタイミング
年末年始は何かと忙しくスケジュールを詰め込みがちですが、愛犬と一緒に休息を取れるように調整しましょう。

■ 安全に過ごすための対策を考える

年末年始になると、いつもとは異なる環境になることも多いかと思います。そのため、愛犬の目線で安全を確保することも大切です。

・季節の装飾品
クリスマスや元旦といったイベントで、季節の装飾品を用意する場合は、飾るものや設置場所に注意をしましょう。

・特別な食べ物
おせち料理などの特別な料理には、愛犬にとって危険な食べ物がある場合があります。人の食べ物は絶対に与えないようにしましょう。

・来客
年末年始の挨拶として、来客が多くなるかもしれません。老犬がいることを事前に伝えておきましょう。
来客に配慮してもらうことで、誤って噛みついてしまったり、愛犬が過度のストレスを感じたりするのを回避できる可能性があります。

・体調を崩した際の対応
年末年始に受診可能な動物病院を、前もって探しておきましょう。
かかりつけ以外の病院を受診する際には、今までに行った検査結果や投薬中の薬を持っていくことを忘れないようにしましょう。

■ 年末年始ならではの心に残る思い出作り

愛犬と新しい歳を迎えるこの時季は特別なひとときです。愛犬に配慮しつつ、特別な思い出も残しておくと良いかもしれません。

・写真撮影
年末年始に一緒に過ごした思い出を写真に残すと、振り返ることもできるのでおすすめです。

・愛犬が食べられる特別なおやつ
飼い主が特別な料理を食べていると、欲しくなってしまう愛犬もいるかもしれません。
その場合は、犬用のおせち料理なども販売していますので、愛犬の体調を見ながら与えてみてはいかがでしょうか。

■ 老犬と年末年始を穏やかに過ごすために

老犬との穏やかな年末年始を過ごすためには、日頃の健康管理が大切です。愛犬が安全で楽しく過ごせるよう、飼い主も一緒に準備をしましょう。

無理のない範囲で、年末年始ならではの特別な時間を過ごすのもおすすめです。愛犬との限りある時間を、有意義に過ごしてみてはいかがでしょうか。

（医療監修：獣医師 先崎直子）