老犬ホーム訪問記 北海道 シニアドッグホームキズナ
2017.02.14
北海道の新冠に新しく誕生した老犬ホーム シニアドッグホームキズナにお伺いしました。
シニアドッグホームキズナは、札幌中心部からは車で約2時間の好アクセス、競走馬のふるさととしても有名な北海道の新冠(にいかっぷ)町の広大な大地と空の下、カフェレストランささふら、ドッグランと一緒にあります。
施設責任者の井上さん夫妻は、以前は大阪でドックカフェを経営されていました。
カフェのお客様との話題の中心は、もちろんワンちゃんのこと。中でもシニアになってからの世話や介護について相談される機会が多く、井上さん夫妻が飼っていた愛犬の老後も考えるようになり、カフェの営業の合間にセミナーや講習会に足を運んで勉強を始めます。
そうするうちに、老犬や要介護犬を長期に預かってくれる施設「老犬ホーム」の必要性を強く感じるようになります。
新冠の自然に魅了され、20年前から何度も訪れていたご夫妻は、この地で老犬ホームを始める決意をされ、2年前に移住してカフェレストランささふらをオープン、続けて老犬ホーム シニアドッグホームキズナの運営を始めました。カフェレストランささふらと併設のドッグランには、地元の愛犬家やワンちゃん連れの観光客が集います。
シニアドッグホームキズナは、「今までの生活環境に近い状態を再現する」ことを大切にしており、カフェを運営しながらでも、充分に目が行き届き、手厚い介護ができるようにするため、お預かりする頭数は4頭までととても少ないのが特長です。
ベッドやマット類なども事前に用意せず、大きさや柔らかさなど、今まで使っていたものやワンちゃんの好みを飼い主さんから伺ってから整えます。起床・就寝時間、食事、運動などの時間も基本的なルールはありますが、今までの生活が続けられるよう、個別に変更・対応できるようにもしています。
カフェの店内からは、ウェブカメラで施設内が常に監視できるようになっており、老犬達に急な体調変化があっても、見逃さないようになっています。このカメラ映像は、老犬を預けている飼い主さんもいつでも見ることが可能です。
施設名である「キズナ」は、「ワンちゃんと飼い主さんが離れて暮らすことになっても、その絆はずっと続く。この『キズナ』を守るための場所」という意味で名付けられました。
「ワンちゃんと一緒に暮らした年月が長くなるほど、飼い主のワンちゃんへの愛情も、ワンちゃんの飼い主への信頼も一層濃くなっていく。様々な事情で一緒に暮らすことができなくなっても、飼い主さんはそのワンちゃんにとって一生『飼い主』であることに変わりはない。私たちは、飼い主さんとワンちゃんの『キズナ』を守るためのサポート係、お世話係なんです」
こう語る井上さん夫妻は、黒子に徹し、飼い主と老犬の「キズナ」を最期まで繋ぎ続けることを誓います。
そのため、「いつでもウェブカメラでワンちゃんの様子を見ていてもらいたいし、いつでも面会に来て欲しい。また、レポートや写真もしっかりチェックして、飼い主としてワンちゃんを見守り続けて欲しい」と話します。
離れて暮らすことになっても、飼い主と老犬の「キズナ」は決して途絶えるとはない。
そんな想いのもと運営されている老犬ホーム シニアドッグホームキズナでした。
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