東洋医療との出会い かまくらげんき動物病院2
2016.02.24 (老犬ケア)
前回コラムでご紹介した神奈川県鎌倉市のかまくらげんき動物病院の石野院長に、なぜ東洋医療に取り組むようになったかをお伺いしました。
石野院長のお父様は人間の鍼灸師でした。
そんなお父様を見ながら石野院長が感じていたこと。それは針や灸だけで体が良くなるのか、プラシーボ効果に過ぎないのではないかという疑問でした。
そうです。石野院長自身が東洋医療を迷信と子供心に思っていた張本人だったのです。
人間と違い、動物にはプラシーボ効果がないはず。
ならば、動物医療において東洋的手法の効果を検証してみれば良い。
そんな東洋医療への疑問を自らの手で解くべく、石野院長は獣医師の世界を目指すことになります。しかし、大学で学ぶことのほとんどが西洋医学に対するもので、この疑問は解けないままでした。
そこで卒業後、自らの目で確かめるため中国の内モンゴル自治区へ渡ります。
内モンゴル自治区で目にしたのは、東洋医療と西洋医療が統合された医療でした。
それは動物の医療だけでなく、人間の医療においても同様でした。
東洋医療は怪しいものではなく、大学のカリキュラムにも取り入れられ、研究もされている確立された医療分野だったのです。
石野院長には、もう西洋、東洋といった区別は無意味なもの感じられました。そして、石野先生自らが動物医療に東洋的手法を取り入れ、効果を確信するにいたりました。
そして1993年に開業したかまくらげんき動物病院で、西洋医療と東洋医療を融合させた中西統合医療に取り組むようになったのです。
当時はまだ東洋医療に対する認知も低く「怪しい」「獣医師の品位を落としている」といわれない批判を受けることも多かったそうです。
子供の頃から感じた東洋医療への疑問を自らの頭で考え、実行し続けた信念。
その東洋医療を受け入れた柔軟性。
多くの批判をうけながらも、あきらめなかった中西統合医療に対する信念。
東洋、西洋の別なく、愛犬にとってベストな治療を選択するという柔軟性。
この石野院長の強い信念と柔軟性こそが、かまくらげんき動物病院が多くの愛犬たちをすくってきた力の源泉になっているのでしょう。
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