老犬に有害な植物
2017.12.10 (老犬ケア)
天気の良い日はとても楽しい愛犬との散策ですが、野山の実や草葉の中には愛犬が口にすると危険なものも多くあります。秋から冬に気をつけたい植物をまとめてみました。
有名なのは、イチョウから落ちる銀杏です。人にとっては美味しい食べ物ですが、子供の食べ過ぎや大人でも食べた後に中毒を起こしたという報告があるようです。とくに、種を包む果肉部分はかぶれの原因にもなりますし、人にとっても要注意です。
犬は解毒能力が低く、とくに老犬は消化能力も劣っているため、高い確率で中毒症状を起こすことがあります。呼吸困難や消化不良(嘔吐や下痢)、けいれんやふらつきなど、個体差はあるものの様々な症状が現れます。外を歩くときは十分に注意したいところです。
イチジクの樹液は皮膚炎をおこしやすく、葉や枝をかじったり食べたりすると、嘔吐など消化器に影響することがあるので、剪定後は近寄らない方が無難です。
お正月に飾るナンテンは葉や実に毒性があり、知覚や運動神経に一時的な麻痺がでることがあります。床の間など、低いところに飾る場合や小型犬のワンちゃんでも要注意です。
また、相談で多いのが「どんぐり」。木の枝からポロポロと落ちてくるどんぐりに興味津々の犬達も多いと思いますが、どんぐりも多量に食べると毒性があります。どんぐりに含まれる苦味成分の「タンニン」はポリフェノールの一種で、これらの成分が原因になります。多量に食べると、便秘・下痢や粘膜の荒れ、消化管の損傷、鉄分の吸収を妨げる原因になることがわかっています。また、丸呑みしてウンチで出てこない場合もどんぐりは消化されにくいので問題です。
ちょっとした変化が体調不良につながる老犬の場合は、ささいなことも注意が必要ですし、落ちている実にカビが着いていたり、除草剤が付着していたりすると、別の中毒につながる可能性もあります。
紅葉の絨毯はとてもきれいで、お散歩の時はその上を歩くのも楽しいことですが、枯葉はもともと消化しづらく、中には毒性を含んでいるものもあります。
拾い食いの癖がある老犬の場合は、できれば枯葉の上は避け、飼い主が与えた食べ物以外は口にしないように心がけましょう。やはり、木の実や紅葉だけでなく、落ちているものは食べさせないに限ります。
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