冬の簡単マッサージ
2018.01.14 (老犬ケア)
お部屋の中で過ごすことが多い冬は、ワンちゃんも人も運動不足になりがちです。
特に、運動ができない状態であったり、寝ている時間が長い老犬は、血行が悪くなり、四肢が冷たくなってしまうこともあります。すると体重が増え、関節の動きも鈍くなり、ますます動くことが面倒になりがちです。
そんな時にはマッサージで血流を促し、体を温めてあげましょう。飼い主さんとのスキンシップもはかれますから一石二鳥。精神的にも良い効果が表れます。また、体をじっくり触ることで、ちょっとした異変やしこりなどを発見することもあります。今日は簡単なマッサージ法をご紹介します。
まず、飼い主さんは、爪は短く切って、指輪も外しましょう。手が冷たければ何度か掌をこすり合わせ、摩擦で温めておきます。ハンドクリームなどをつける時は、老犬の被毛に匂いを残さないためにも、香りの弱いものを選びましょう。
お部屋の温度は暑すぎないように設定して、老犬のお気に入りのベッドや毛布など、落ち着ける環境を用意します。
次に老犬の体調をチェックします。体調が悪い時や、気分がすぐれない時に無理やりマッサージをするのは逆効果です。食事前後1時間も避け、老犬も飼い主もリラックスしている時間を選びましょう。また、飼い主の気持ちが沈んでいる時や、気持ちが入らないときも避けた方がよいでしょう。犬は飼い主の感情を感じ取ってしまうので、せっかくのスキンシップが台無しになってしまいます。老犬の身体を触わり、冷えていると感じたら、ホットカイロなどを用意して、タオルに包んで体を温めてから始めます。
マッサージの強さですが、想像しているよりも弱く、例えるとスポンジが数ミリ凹むくらいの強さをイメージしてマッサージしていきましょう。老犬の身体を揉む必要はまったくありません。
まず、体を撫でていきます。掌を使って、首から背中・腰・お尻にかけてゆっくりと。背骨に沿って、一方方向に撫でましょう。次に「の」の字を書くように円を描きながらゆっくりと撫でていきます。最後にしっぽの付け根は軽く揉みほぐしましょう。
同じように、あごの下から胸・前脚の付け根までをゆっくり上から下へと撫でていきます。クルクルとのの字で撫でるのが難しい場合は、毛並みに沿って一方方向に撫でるだけでかまいません。
次にお腹も胸の方から股間にかけて、ゆっくり撫でていきましょう。
リンパの流れは末梢から心臓付近へとなっています。下肢は太ももから膝に向かって撫で、上肢は肩から肘にむかって一方方向に撫でていきます。膝から下は人差し指と中指の2本を使ってゆっくりと上から下へと撫でていきます。
撫でているだけでマッサージ効果があるのか?と思われるかもしれませんが、それでも十分体は温まっています。
顔は耳の付け根あたりから首、背骨へと、親指と人差し指・中指の3本で軽く揉みながら、背中からお尻へと動かしていきます。目の上あたりの(人でいう眉毛のあたり)は人差し指で指圧するイメージで、ごく軽く押して指圧します。
撫でるマッサージがうまくいくようになったら、背骨や四肢の皮を軽くつまんで刺激するマッサージなどにチャレンジしてみてください。
老犬が気持ちよさそうにじっとしたり、ウトウトしてくれたら、体が温まって気持ちよいということでしょう。1日3分程度でよいので続けてあげることが効果的です。
心臓や呼吸器に持病がある場合、血流がよくなりすぎると負担になることがあるので、愛犬の様子に注意しながら(血流がよすぎると、ハアハアします)行うようにしましょう。
また、体の表面に腫瘍がある場合には、その箇所周囲を避けましょう。
簡単マッサージで、愛犬と今まで以上に素敵な関係を築いてください。
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