老犬の狂犬病予防接種やワクチン接種は必要?
2018.03.02 (老犬ケア)
3月になると狂犬病接種が始まります。平成30年は今日、3月2日から開始となり、集団接種は4月頃から始まります。接種後は居住している市区町村から「青色の注射済票」が発行されます。狂犬病注射済票のデザインは市区町村によって違いますが、色は全国共通で黄・赤・青のローテーション、30年度は青の鑑札が発行されます。
厚生労働省の狂犬病予防法では、犬を飼い始めた時に登録手続きをすると発行される「犬鑑札(一生に一度)」と狂犬病予防接種を示す「注射済票(毎年発行)」を犬の首輪などに装着することを義務付けています。
ただ実際は犬鑑札の存在を忘れていたり、中には紛失したままになっていたり、持っていても首輪につけていない飼い主が多く見受けられます。犬鑑札は迷子防止にもなりますから、出かける時は必ず首輪に装着し、紛失した時には再発行を依頼しましょう。
生後90日を過ぎた犬は、必ず狂犬病予防注射を接種し、その後は1年に1度の予防接種で免疫を補強することが法律で義務付けられていますが、老犬はいつまで接種が必要なのでしょうか。
基本的には生涯、接種が必要となります。ただ、体調不良の老犬や病気があるなどの健康上の理由があれば、予防接種が免除されることもあります。これは獣医師の判断で猶予されることになります。獣医師から「接種しなくてよい」と判断された場合は、必ず「狂犬病予防注射実施猶予証明書」を発行してもらいましょう。猶予された時は居住地域の役所に出向き、担当課に「猶予証明書」を提出して、接種を猶予されたことを伝える必要があります。猶予証明書の有効期限は1年間なので、毎年提出する必要があります。
任意で接種する混合ワクチンはどうでしょう。
混合ワクチンを接種する理由は、人でいうインフルエンザの予防ワクチン接種と同じです。病気の原因となる細菌やウィルスなどの感染源に触れた場合に備え、免疫力をつけておくために接種します。寝たきりで外出することがない老犬には基本的には必要がないということになりますが、通院や入院時に他の犬と接触する可能性があるので、接種の有無については獣医師とよく相談してください。また、混合ワクチンは抗体を作るために体の中に病気が発症しない程度に毒性を弱めた病原体を入れるわけですから、少なからず副作用が出ることもあります。
抵抗力の弱い老犬にとっては、混合ワクチン接種が体に負担がかかる場合もあります。持病があり、治療中の場合などは獣医師とよく相談して接種するかどうかの判断をする必要もあります。
毎日の散歩に出る老犬の場合は、混合ワクチンを接種していないと病気の感染リスクが伴います。感染源は病気に感染した犬の糞尿や唾液、くしゃみや咳をした時の飛沫などに含まれているため、発症前の犬と接触したり、草むらの匂いを嗅いだりときに感染する恐れは十分にあります。もしもワクチンを接種しないという判断をした場合には、散歩ルートは犬があまり歩かない場所を選んだり、草むらを避けるなど、老犬が極力感染しないように衛生管理を徹底する必要があります。ウィルスや病原菌の中には犬の生死に関わるような病気や、人に感染する病気もあります。
ワクチン接種を迷ったときは、自己判断せずに獣医師とよく相談して、接種するかどうかを決めましょう。
接種する場合は、副作用に備えて午前中に接種を済ませ、老犬に変化がないか症状をよく観察することをお勧めします。万が一、アナフィラキシーショックや顔が腫れるといった症状のほか、嘔吐や下痢などが見られたら、すぐに病院を受診しましょう。アナフィラキシーショックは接種後数分で出ることが多いので、念のため接種後10分~15分は病院の待合室などで、様子をみるとよいでしょう。
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