老犬のノミダニ対策
2018.03.20 (老犬ケア)
暖かくなってきました!つくしが芽を出し、虫も活発に活動を始めたようです。春を感じる季節が来ると、気になるのがノミダニ対策です。毎日散歩にでかける老犬にとって、こまめにシャンプーをしていてもノミダニが付着してしまう恐れはいつでもあります。ノミやダニはシャンプーだけではすべてを取り除くことができません。ただ、駆除薬は、老犬の身体には負担がかかるものもあります。老犬の体に優しいノミダニ対策にはどんなものがあるでしょうか。
■ノミダニの生態
ノミやダニは春~秋に大量に発生して繁殖を続けます。ノミの成虫は一日に10~50個の卵を産むので1匹が一生で百から数千個の卵を産むこともあります。寿命は環境要因に大きく左右されますが、通常は1~2か月とされています。ノミは一度付着するとずっと被毛の中に居つき、繁殖を続けるためどんどん増えます。真冬は活動を抑える傾向にありましたが、最近は冬でも暖かい室内で過ごす老犬が多いため、予防が必要な場合があります。
ダニには様々な種類があり、マダニやヒゼンダニ、ニキビダニなどの名前は比較的有名です。マダニは体に付着すると数日間は血液を吸い、その後犬の体から離れます。吸血できる動物が通るまで草むらなどで、数か月を過ごすことができます。
ノミもダニも、草むらなどに住み着いて、通りかかった動物に寄生します。老犬は動きも遅く、待ち伏せるノミダニにとっては付きやすい動物といえます。
■ノミダニが寄生した時の症状。
ノミダニに吸血されて出る症状は、痒みだけでなく感染症などがあり、病気に対する注意も必要です。
ノミに吸血されたときの症状は強い痒みが特徴です。体中を掻きむしって毛が抜ける脱毛や、皮膚が赤くなったり発疹がでたり、掻くことで肌が傷ついて化膿することもあります。ノミの唾液と糞がアレルゲンになって、ノミアレルギー性皮膚炎を発症することもあります。
ダニの吸血により痒みが出ることはあまりありませんが、刺された場所の皮膚が炎症を起こすことがあります。ノミもダニも大量に寄生すると貧血を起こすことがあります。
感染症としては、体を舐めたときにノミが体内に入ったことで発症する爪実条虫が寄生することもあります。大量に寄生すると、下痢などの消化器症状や体重減少などの症状のほか、条虫の一部が切り離されて肛門から出てくることもあります。老犬は皮膚の新陳代謝が悪く、肌も乾燥しているので痒みが強くでることがあります。また、ノミが人に付いて吸血することもあります。
ダニは吸血したあと体から離れますが、気づいて無理やり剥ぎ取ろうとすると、噛みついている口だけが皮膚に残って炎症を起こし、病原体を体内に入れてしまうこともあるので、動物病院で駆除をしてもらうのが適切です。無理やり取ることはしないようにしましょう。また、ダニに咬まれるとバベシア症という感染症を発症することもあります。バベシア症の中には人にも発症する人畜共通感染症のタイプもあります。
ライム病や、人の生死に関わる「重症熱性血小板減少症候群SFTS」に感染することもあるので、ダニを家の中に持ち込まないように注意しましょう。
■ノミダニの駆除
ノミダニはシャンプーだけでは防げないため、月に1回の駆除薬を使って寄生を防ぎます。
ただ老犬は体力も弱く、皮膚も弱くなっている場合がありますし、チュアブルタイプも、首筋などに垂らすスポットオンタイプも、使用する際は獣医師に相談して、体調や老犬の健康状態をしっかり確認してから使用しましょう。
散歩の時に洋服を使用することも1つの予防になります。
最近ではノミダニ防止のスプレーなども販売していますが、嗅覚が鋭い犬にとっては香りが合わなかったり、被毛や皮膚に付くことで炎症を起こすこともありますので、注意が必要です。アロマを使用する際も同様です。いずれも予防効果や安全性などを十分に考慮して老犬に合うかどうかを見極めてから使用してください。
これからの季節、しっかり予防として、寄生させないように心がけましょう。
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